2018年11月16日(金)

トランプ氏、車関税引き上げ検討指示 最大25%か

2018/5/24 10:07
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【ワシントン=鳳山太成】トランプ米政権は23日、安全保障を理由に自動車や自動車部品に追加関税を課す輸入制限の検討に入ると発表した。商務省が鉄鋼に課した輸入制限と同様に、車の輸入増が安保上の脅威になっているか調べる。米メディアによると乗用車の関税を25%引き上げる案が浮上している。対米輸出が多い日本にとっては大きな打撃となり、世界的な貿易摩擦が激しくなる恐れがある。

トランプ大統領はロス商務長官と同日会談し、安保を理由に輸入制限を課せる通商拡大法232条に基づく調査を指示した。商務省は乗用車やトラック、自動車部品を対象に調査を始めた。トランプ氏は「自動車や自動車部品などの中核産業は国家としての強さに重要だ」との声明を出した。

232条は輸入増が安全保障上の脅威になっていると認めた場合、大統領に関税引き上げなどの輸入制限を課す権限を認めている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は現行2.5%の乗用車関税に最大25%の追加関税を課す案が出ていると報じた。

世界貿易機関(WTO)は一方的な輸入制限を禁じるが、安保が理由であれば「例外扱い」にできるとしている。ただ安保の定義は曖昧で、自動車に適用できるか疑問の声もある。政権内や議会のほか、外国の自動車メーカー、米国の輸入車販売店など産業界からも強い反対意見が出そうだ。

調査開始から追加関税を発動するまでには時間がかかる。商務省は2017年4月、トランプ大統領の指示を受けて鉄鋼とアルミについて輸入制限の検討を開始。18年1月に調査を終え、3月にそれぞれ25%、10%の関税を発動した。調査しても最終的に関税を発動しないケースも過去にはある。

車貿易が最大の争点となっている北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉は難航しており、トランプ政権は輸入制限を持ち出してカナダ、メキシコから譲歩を引き出すことも狙っているようだ。日本との2国間の自由貿易協定(FTA)交渉につなげる思惑もあるとみられ、6月にも始まる日米の新たな通商協議で最大の議題となりそうだ。

米自動車調査センターによると、17年の米国の乗用車販売(1730万台)のうち輸入車が占める割合は44%。日本、カナダ、メキシコからの輸入がそれぞれ11%ずつ占めるほか、ドイツや韓国が続く。日本の自動車メーカーは輸出全体のうち4割を米国に振り向けている。関税が上がれば輸入車の競争力が下がり、日本を含む自動車メーカーはサプライチェーンの見直しを迫られることになる。

トランプ氏は11日にホワイトハウスで開いた自動車メーカー首脳との会合で、車関税の引き上げを提案したもようだ。会合にはゼネラル・モーターズ(GM)など米大手のほか、トヨタ自動車ホンダ日産自動車、独フォルクスワーゲンなど世界各国の大手首脳が出席していた。

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