金正恩氏、変わる風貌 背景にあるのは
米朝首脳会談ライブ

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が10日、シンガポールに到着した。正恩氏の風貌は、ここ数年、大きく変わってきた。
正恩氏を写した3枚の写真のうち、左は2012年8月に北朝鮮の朝鮮中央通信が報じたものだ。
正恩氏は故金正日総書記が存命だった10年9月、北朝鮮メディアに初登場した。
このときも1990年代にスイスの学校に通っていた時代に撮影された姿よりかなり太ったと指摘された。祖父の金日成主席を意識して体形を似せようとしている、ともいわれた。
3枚の写真のうち、中央は朝鮮中央通信が15年10月に配信した。このころまでに正恩氏の肥満が急激に進んでいった。
約130キロの体重、さらに?
当時の韓国政府の分析では、正恩氏の体重は5年間で約30キロ増え、約130キロに達した。
正恩氏が第1書記から委員長に就くのは16年5月。これと前後して、叔父の張成沢・元国防副委員長の処刑(13年12月)、異母兄の金正男氏の暗殺(17年2月)が起こった。風貌が変化した時期とも重なる。
18年4月、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談に臨んだ正恩氏は、報道陣を前に笑顔をみせた(3枚の写真の右)。

シンガポールの空港に到着した正恩氏も上機嫌な様子だった。ただ、肥満がさらに進行しているようにみえた。
会談が成功すれば米国に招待したい――。トランプ米大統領からは日米首脳会談後の記者会見ではこんな発言があった。ただ、主要7カ国首脳会議(G7サミット)を途中退出する際の会見では、米朝首脳会談を「一度限りの機会だ」と指摘した。
歴史的な会談を経て、正恩氏の風貌はどうなるだろうか。