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データで迫る 大谷翔平の「二刀流」(4)

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2018/6/4 6:30
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 米大リーグで投打の「二刀流」に挑むエンゼルスの大谷翔平が躍動しています。その一挙手一投足が日々のニュースで取り上げられています。日経電子版は5月14日、東京・大手町で「大谷翔平、なにがすごい!? データで分析」と題したセミナーを開催。野球選手の動作解析を研究している国学院大学准教授の神事努さんと、電子版スポーツで大谷のコラム「拝啓 ベーブ・ルース様」を連載しているスポーツライターの丹羽政善さんが大谷の特徴や可能性について話し合いました。5回に分けて掲載する内容の4回目になります。記録はセミナー開催時点のものです。

丹羽 打者・大谷についてはいかがですか。

神事 打者・大谷を知るうえで、指標となるものがあります。最近よく語られるようになってきたのですが、説明していきたいと思います。統計学に基づいた「セイバーメトリクス」という指標では、得点や失点にどう影響したのかをピックアップしています。OPS(On-base Plus Slugging)という指標があります。初めて聞く人もいるかもしれませんが、数字に強ければすぐわかると思います。出塁率と長打率を足した数字です。OPSが高くなると、1試合あたりの平均得点が高くなることがわかっています。ですから、得点力を考えると、出塁する能力と走者を進塁させる能力が必要になってきます。打率で評価するよりOPSで評価したほうがいいといわれており、得点にどう貢献したのかがわかります。

神事 OPSを構成する要素を出塁率と長打率に分けました。ここで長打率の説明をしますと、打球の飛距離のほか、相手チームの守備位置に影響することもわかっています。打球の飛距離ランキングをみると、大谷は22番目になります。大リーグ30球団のどのチームにいても「主力」であるといえます。

丹羽 アーロン・ジャッジやジャンカルロ・スタントン(ともにヤンキース)は入っていないんですよね。

(C)Nextbase Corp.

(C)Nextbase Corp.

神事 そうですね。最高の飛距離という点ではですね。飛距離を構成する要素は3つです。「打球の速度」と「打球の角度」と「打球の回転数」です。打球の速度からいきます。速度を横軸にしてその結果の比率(単打、二塁打、三塁打、本塁打)をみると、速度が150キロを超えると急激に長打が増え始めます。また面白いのが速度が速くなると、長打だけでなくて安打そのものも増えていくといえます。注目すべきなのは速度が110キロ前後だとポテンヒットが多いことです。極端ですが、ポテンヒットメーカーになりたいのであれば110キロ前後の打球を打ち続ければいいのです。

丹羽 イチローはわざと打球を詰まらせて遊撃手の後方に落とすことがあります。遊撃手や三塁手が深めに守っている場合、意図的に詰まらせその前に転がして内野安打を稼ぐ技術を持っています。この数値はそうした選手の能力を示すのかもしれませんね。

(C)Nextbase Corp.

(C)Nextbase Corp.

神事 平均打球速度ランキングではジャッジやスタントンら強打者の名前が出てきます。大谷はスタントンを抜いて7位。大リーグで7番目に打球が速いというのは驚くべき特徴だと思います。

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