未来面「つくりかえよう。」

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中家徹・全国農業協同組合中央会会長の講評

2018/5/28 2:00
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いただいた意見の中には私たちがなかなか思いつかないものが多く、面白く読ませていただきました。「ありえない視点プラスし面白く」はとくにそうです。農業を知らない人の視点から見ることで、これまでの農業のイメージとは違う発想が出てくるんでしょう。農業の価値に対する新たな評価です。こういうサービスを担う人を内部で探すのは難しく、農業の外側に求めるしかない。農協がそういう人材を農村に連れてくるべきだと思いました。

いろんなイベントを通し、「農村は素晴らしい」と感じてもらったからと言って、すぐに「自分で農業をやってみよう」と思ってもらえるかどうかはわかりません。それでも農村のことを都会の人に知ってもらうことが、農業の応援団を増やすことにつながれば大きな成果だと思います。

「地方特有の知恵よみがえらせる」も農村にどっぷりつかっていると、出てきにくいアイデアだと思いました。私の地元で梅の収穫体験ツアーをやっています。収穫期は雨が多く、農家にとっては大変な作業です。ところが消費者の皆さんはかっぱを着て、すごく楽しそうに収穫します。内側にいると見過ごしてしまう価値が、農村にはけっこう埋もれていると思います。

私が小さいころは、しょうゆや味噌、コンニャクなどを全部自分の家で作っていました。デジタルの時代ですが、時間をかけて自分の手で作るアナログ的なものも評価されると思います。そうしたものを掘りおこすことができればと思います。

「義務教育の科目『農業』の追加を」ですが、若い人がここまでやる必要があると考えてくれているのはありがたい話です。農業に絞らず、食も含めて教育することが大事だと思います。私たちが幼稚園の子供たちに農業体験の機会を提供しているのもそうした思いからです。農業は生命産業だということを認識してほしいと思います。

◇――――――――◇

農業は高齢農家の引退と担い手不足に直面しています。素晴らしい農業経営者も登場していますが、それだけで農業の衰退を食い止めるのは難しい。大切なのは、外の世界から農業にチャレンジする人を増やすことです。多くの人に農業に触れてもらうことはそのための出発点になります。

これまで内向きの議論に終始しがちだった農協が、外の世界との接点を増やそうとしています。中家氏の言うように、外のアイデアを取り入れることが農村の再生にとって不可欠です。

(編集委員 吉田忠則)

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