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データで迫る 大谷翔平の「二刀流」(3)

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2018/6/1 6:30
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 米大リーグで投打の「二刀流」に挑むエンゼルスの大谷翔平が躍動しています。日経電子版は5月14日、東京・大手町で「大谷翔平、なにがすごい!? データで分析」と題したセミナーを開催。野球選手の動作解析を研究している国学院大学准教授の神事努さんと、電子版スポーツで大谷のコラム「拝啓 ベーブ・ルース様」を連載しているスポーツライターの丹羽政善さんが大谷の特徴や可能性について話し合いました。5回に分けて掲載する内容の3回目になります。記録はセミナー開催時点のものです。

神事 大谷のフォークボール(スプリット)は大リーグ平均より10~20センチ多く落ちていますので、「よく落ちているね」と表現されます。右端のグレーの円が大リーグの平均的なフォークの変化量で、青色がヤンキース・田中将大のフォーク。丹羽さんがお話しした通り、田中の場合はほぼ真下に落ちるほか、少しシュート回転するものもあります。

(C)Nextbase Corp.

(C)Nextbase Corp.

丹羽 大リーグではボールの軌道を「レーン」といいます。リリースポイントが同じ方が打ちにくいのか、もしくはレーンが同じほうが打ちにくいのかを打者に聞くと、「レーン」と答える割合が多いようです。同じ軌道でくるボールが最後の最後で枝分かれし、そのポイントが打者に近ければ近いほど球種を判断する時間が短くなります。大谷のフォーシーム(速球)は軌道だけをみれば、それほど打てないものではないのですが、フォークと似た軌道で打者に近づいてくるため「フォークではないか」という意識が働きます。それで打者はフォーシームが本来の軌道よりもホップしてみえる可能性があります。そのあたりの錯覚を打者に与える効果が彼の2つの球種にはあるようです。

神事 そうですね。フォーシームは速く、フォークもよく落ちています。しかも軌道が途中まで同じものも含まれていて、打者はフォーシーム狙いで打ちにいくと、フォークなら「落ちた」ということになります。フォークを狙っていくと、今度はフォーシームがきたときに対応できません。大谷は当初、かなり2つの球種で攻めていたのですが、それでも結果が出ていました。

神事 大谷のフォークの特徴はよく落ちる点に加えて、トップスピンもかかっています。上から投げているのにもかかわらず、ボールの進行方向に回転がかかっています。想像しがたいのですが、映像を見るとその特徴がわかるところもあります。

丹羽 通常、フォークはバックスピン(逆回転)になりますから、これは大リーグにはほぼない軌道なんですね。

神事 「激レア級」ですね。実はロッテで活躍された村田兆治さんの投球データを2004年に取る機会がありました。村田さんのフォークにもトップスピンがかかっていました。ソフトバンクの千賀滉大のフォークは「お化けフォーク」といわれますが、彼のボールもトップスピン系のようです。こうしたボールを投げる投手が出てきているのです。自在に落差をコントロールできるようになれば、投手にとって大きな武器になりますね。

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