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守・破・離への道(岡田武史)

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FC今治、宿願のJ3昇格へ勝負の年

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2018/5/28 6:30
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今治モデルの核になる「岡田メソッド」も昨年の終わりに一応の完成といえるレベルになった。

これまでも繰り返し述べてきたように、16歳までに骨の髄までメソッドを選手に落とし込み、そこから先は自由にやらせるというのが私の考え(今までの日本サッカーはこの順序が逆だった)。

「岡田メソッド」は昨年末、一応の完成といえるレベルになった

「岡田メソッド」は昨年末、一応の完成といえるレベルになった

一応の完成というのは、メソッドの中心である攻守のプレーモデルやトレーニング方法、コーチングの仕方、適正なプロセスを踏めているかどうかを評価する方法などはしっかり整ったけれど、フィジカルやメンタル、GKのトレーニングなどのパートはまだ細部まで詰め切れていないからだ。

今のところ、このメソッドを育成年代の指導に用いているのは今治と中国の杭州緑城、香港のサウスチャイナだけ。その成果が表れるのはメッソドの中から子供たちが巣立つ7、8年先のことになるのかもしれない。

最近、サッカーの試合の解説で「プレーモデル」という言葉が使われるようになっているらしい。それで私も「これまで使われてきたプレースタイルという用語とプレーモデルは何が違うのか」と聞かれたりする。

FC今治のプレーモデルとは…

テレビや新聞、雑誌で解説者がどういう意味で使っているのかは私に知るよしもないが、今治の場合はプレーモデルを「哲学に基づいたスタイルを実現するためのプレーの原則を集めたもの」というふうに考えている。たとえば、ピッチを縦に5分割(5レーン)にしたとき、ある状況のとき、同一のレーンに味方の選手が複数入らないようにするという原則がある。アウトサイドのMFが一番外のレーンに張っていたら、サイドバックの選手は外から2番目のレーンにいるようにする。そういう原則を子供のころからしっかり身につけていけば、ピッチの中で判断やポジションに迷うような状況を確実に減らしていけるはずなのだ。

日本の指導風景で日常的に見かけるのが指導者が「原則」ではなく「状況」で指導する姿である。しかし「今の状況ではAというプレーをすべきだ」とコーチにいわれても、サッカーの試合はいろいろな状況が次々に起こるから、指導される側は「では、こういうときはどうするんですか」とわからなくなる。子供の場合は特に途方に暮れるだろう。

そういう悪循環を断ち切るために、状況で指導するのではなく、原則に当てはめて指導するというのがメソッドの肝だ。あくまでも原則にすぎないが、と注釈をつけながら。その原則を集めたものを今治ではプレーモデルと呼んでいる。

企業秘密に類するのであまり詳しくはいえないが、我々のメソッドには「基点」「動点」「ユニット」といった独自のコンセプトがある。言葉も「シャンク」とか「バレ」など自分たちで定義して新しくつくっている。

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