2019年7月19日(金)

アステラス、4年ぶり早期退職募集 600人対象

2018/5/22 19:45
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アステラス製薬は22日、国内従業員の1割弱にあたる600人を対象とする早期退職優遇制度を導入すると発表した。営業サポートや社内研修を担うグループ会社の業務を2019年3月期末までに終了し、京都市内にある医薬品の分析科学研究所も欧州企業に売却する。

「2020年度までに300億円の利益改善をする」。同日、18年度からスタートした中期経営計画の発表会見で、安川健司社長はこう話した。国内の本体を含む早期退職は4年ぶり。同日に発表した早期退職の効果は300億円の利益改善には含まれず「将来のことは控えるが、必要なら随時やる」と話した。14年には300人募集して430人が応募した。創薬を後押しするための「新薬創出加算」と呼ぶ仕組みが縮小されるなど、新薬メーカーを取り囲む環境は当時よりも厳しくなっている。

今回の早期退職では分析科学研究所の全株式を19年3月中に欧州の医薬品などの分析企業に売却する。売却額は非公表。社内の営業サポートや研修を担当するグループ会社を19年3月末までに終了することも発表した。業務を終了する会社の従業員は計350人程度という。事業再編に伴い早期退職を実施するため、医薬情報担当者(MR)や研究開発の担当なども対象に含み、関連費用は100億円以上発生する見込み。

全体では19年に泌尿器科系が特許切れを迎え一時売上高が落ちるが、20年度に1兆3000億円と17年度と同水準の売上高に回復させることを明示。がんや神経系などの治療薬を申請し、成長領域に入るとした。

「私の好きにやらしていただきました」。同社が発表した中期経営計画の資料には、技術畑を歩んできた安川社長らしく医薬品のメカニズムなどを解説したページが目立った。がん、免疫、眼科、筋疾患、中枢神経など5領域を中心に研究開発を進め、20年度には2000億円以上の研究開発費を投じる方針。「領域にとらわれず、テクノロジーを生かして事業を広げたい」という。

主力品の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」ではこれまでより早期の段階の患者に適応を広げてピーク時には5000億円の売上高に育てる。

期待を寄せるのは15年に買収した眼科領域の再生医療ベンチャー「オカタ・セラピューティクス」と18年に100億円超で買収した米再生医療ベンチャーの「ユニバーサルセルズ」の相乗効果。ユニバーサルセルズ社の免疫拒絶反応を抑えた幹細胞を作る技術を使えば、眼科から他の免疫疾患にも治療を広げられるという。

株主還元を配当政策にも言及。20年度までの3年間、18年3月期1株36円の配当で「安定配当のため毎年増配を目指す」(武田睦史・最高財務責任者)ことも表明した。安川社長が4月に就任した直後の中計会見だったが「技術をベースに、製品ごとの売上高など将来見通しも出されており、わかりやすかった」(アナリスト)との評価もあった。

(西岡杏)

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