フキの和紙、普及目指す 釧路市が再評価受け販売再開

2018/5/22 11:17
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北海道釧路市が特産のフキを原料にした和紙「富貴紙」の普及を目指している。2006年に本格的な生産を中止していたが、和紙再評価の機運が高まり、昨年夏に販売を再開した。紙によって模様や手触りが違って個性があり、富貴紙を使った扇子など新たな商品開発にも取り組んでいる。

フキを原料にした和紙「富貴紙」の製造作業をする釧路市の職員(4月、北海道釧路市)=共同

フキを原料にした和紙「富貴紙」の製造作業をする釧路市の職員(4月、北海道釧路市)=共同

フキの栽培が盛んな釧路市音別町。図書館に設けられた工房で4月中旬、市の臨時職員らが作業を進めていた。塩漬けしたフキを切断して水に溶かし、紙すき、脱水、乾燥の工程を経て約1週間で作り上げる。完成した紙には、緑色の繊維をちりばめたような独特の模様が浮かぶ。職員の一人、川村成未さん(28)は「紙によって模様や手触りが違い、個性がある」と話す。

富貴紙は、釧路市と合併する前の旧音別町で1991年に誕生した。廃棄していたフキの皮を活用しようと、町振興公社が北海道大農学部に調査を依頼。良質なパルプを含んでいることが分かり、和紙に加工して名刺やレターセットを商品化した。

フキを原料にした和紙「富貴紙」から作られた扇子などの商品=共同

フキを原料にした和紙「富貴紙」から作られた扇子などの商品=共同

合併後に振興公社が解散し、販売用の生産を中止。地元小中学校の賞状などで使う程度になった。2014年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)が和紙の無形文化遺産登録を決めたことから、釧路市は富貴紙の販売再開に向けて動きだした。

生産を徐々に増やし、昨年夏から市内の文具店などで原紙を販売。売り上げは好調で、市は5月1日に名刺用台紙の販売も始めた。また、京都市の扇子製造会社と協力し、富貴紙を加工した扇子を開発。6月以降の出荷を目指している。

釧路市の担当者は「他の商品も作り、富貴紙を特産品としてPRしたい」と話した。〔共同〕

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