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持続可能な開発目標とESG(十字路)

先日、環境省の「持続可能な開発目標(SDGs)」に関する会合に参加した。2030年に向けた国際社会の目標であるSDGsについて、様々な関係者が議論する場として16年に始まった会合である。今回は非財務的な価値に着目したESG(環境、社会、ガバナンス)投資との関わりがテーマになり、金融界にお声がかかった。

両者の関係は難しいテーマだ。現状は「SDGsの達成に金融がESGを用いてどう貢献するか」という本質論ではなく、もっぱら「ESG投資がSDGs情報をどう活用するか」という技術的な側面が議論の中心になっている。非財務的な価値を含め、企業の「稼ぐ力」を支えるビジネスモデルの持続可能性に着目するのがESG投資だ。これを呼び込むために、企業には将来予想される様々な変動を踏まえても、自社の強みが維持可能であることを投資家に示すことが求められる。

その一環として、これから社会が直面する様々な課題を正しく認識し、予想されるリスクや事業機会を自社の成長戦略に適切に織り込んでいるという情報は極めて重要だ。先進的な企業は世界共通の言語で説明できる道具として、SDGsを評価・活用し始めており、ESG投資家もそのメッセージを消化しつつある状況だ。

皮肉なことに、SDGsを活用した事業モデルの説明が一般化すると、最も苦労しそうなのがESG投資の主体である金融だ。事業会社が本業と特定の社会課題を関連づけて議論しやすいのに対し、投融資は全ての課題に関与しうる。個々のテーマへの関与にとどまらず、エネルギーと気候変動のように相反しかねないゴールへの貢献について総合的な調整が必要になる。会合での議論を通じて改めて感じた悩ましい問題である。

(日本政策投資銀行執行役員産業調査本部副本部長 竹ケ原啓介)

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