2019年6月27日(木)

武田、中国の合弁株式を譲渡 300億円で

2018/5/21 20:00
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武田薬品工業は21日、同社が保有する中国の合弁会社の株式約51%を合弁相手の中国企業に譲渡すると発表した。譲渡額は約2億8000万ドル(約300億円)となるもよう。武田はがん、消化器、中枢神経といった中核事業に集中するため、非中核事業を切り離す。同時にアイルランドのシャイアー買収に伴い悪化する財務の改善につなげたい考えだ。

譲渡するのは広東テックプール・バイオファーマの全株式51.34%。広東テックは武田と中国のシャンハイ・ファーマシューティカル・ホールディングによる合弁会社で、シャンハイファーマら2社が武田の保有株を全額現金で取得する。中国の監督当局の承認がおりる数カ月程度で手続きが完了するという。

広東テックは尿たんぱく由来のバイオ医薬品の研究、開発を手掛ける製薬会社で1993年の設立。武田が2011年に1兆1千億円で買収したスイスのナイコメッドが10年に広東テックの過半数の株式を取得。ナイコメッド買収後に所有権が武田に移っていた。

武田はシャイアーを約7兆円で買収することで合意済み。買収で有利子負債は3兆円にまで膨らみ、金融機関からの借り入れ約3兆円も発生する。財務体質が大幅に悪化することが予想される。

一方、武田は大型薬が相次ぎ特許切れを迎え、稼ぐ力が衰える中でも高配当を維持してきた。15年3月期には連結最終損益が約1458億円の赤字になっても、減配には踏み切らなかった。クリストフ・ウェバー社長はシャイアーの買収で合意した後も「年180円の配当を維持する」と明言している。

ただ、過去の買収もあり、有利子負債残高は18年3月期末時点で約9857億円と5年間で約1.7倍に膨らんでいる。

今回の中国合弁の株式譲渡は、シャイアー買収を見据えた財務改善と配当維持に向けた対策の一つとみられる。今後、非中核と位置づける事業の売却をさらに加速させる見通しだ。

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