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イタリア五つ星・同盟、首相候補を伝達へ 大統領に

【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリアのポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」と極右「同盟」は20日までに、両党が合意した政策内容について支持者の承認投票を実施し、賛成多数で可決された。ロイター通信によると両党は21日午後(日本時間22日未明)、マッタレッラ大統領に政策合意内容と次期首相候補を報告する。2カ月半以上に及ぶ政治空白が収束に向かう可能性は高まるが、政策の実現性や欧州連合(EU)との関係など不安要素は多い。

両党は18日に政策合意を発表した。同日、五つ星が実施したオンライン投票では支持者の9割以上が賛成票を投じ、ディ・マイオ党首はブログに「五つ星は変革のための政府の契約を承認する」と書き込んだ。ロイター通信によると同盟は週末、イタリア各地に約1000カ所の投票所を設け、21万5千人が投票。このうち91%が賛成した。

複数の伊メディアは、次期首相の有力候補にフィレンツェ大学のジュセッペ・コンテ教授を挙げた。法律が専門で、選挙時に五つ星の司法政策策定に携わったという。

大統領は報告を受けて首相候補を指名し、組閣作業を命じる。指名された首相候補は大統領に閣僚名簿を提出し、宣誓式後に内閣が成立する。10日以内に上下院の信任を受けて、正式に新政権が始動する。

五つ星と同盟は歳出拡大で消費や経済成長を促し、公的債務を削減する姿勢を打ち出している。合意した政策には大型減税や、失業者らへの月780ユーロ(約10万円)の最低所得保障、福祉手当の拡充が入るなど、大盤振る舞いのばらまき政策が目立つ。

財源は明確ではなく、政府債務残高が国内総生産(GDP)比130%を超えるイタリアのさらなる財政悪化への懸念が早くも強まっている。

EUとの関係悪化を予測する声も多い。EUは財政赤字をGDPの3%以内に収めるよう求めるが、両党は歳出拡大に向け財政ルールの見直しを求めるとみられる。とりわけ同盟のサルビーニ党首はEUに不信感が強く、一時はユーロ離脱も唱えていたことから、EUと新政権の間で火花が散る場面が増えそうだ。

ただ、EUが新政権の要求を容易にのむことは考えにくい。マッタレッラ大統領も親EU路線を維持する重要性を繰り返し主張している。

3月4日の総選挙では、既存政治の打破を訴えた五つ星が単独で上下院で最多議席を獲得。グループとしては同盟やベルルスコーニ元首相が率いる「フォルツァ・イタリア」でつくる中道右派連合が第1勢力になった。ただどの政党も過半数には到達しなかった。

五つ星は同盟との連立に前向きだったが、政界への強い影響力をもつベルルスコーニ氏がこれに反対。しかし、同氏が周囲からの説得などを受け今月9日に容認に転じ、連立協議が大きく前進していた。

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