2018年10月23日(火)

社会保障費、2040年度に190兆円 介護の負担重く

2018/5/21 17:06
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政府は21日、税や保険料で賄う医療、介護など社会保障給付費が経済成長率を年2%前後とする基本ケースで2040年度に190兆円になるとの推計を公表した。18年度から6割増え、特に介護は高齢者数の増加で2.4倍の約26兆円に膨らむ。給付全体が経済成長を上回るペースで増え、国内総生産(GDP)に対する比率は18年度より2.5ポイント高い24%となる。制度の持続可能性を保つには、給付と負担の両面からの改革が必要だ。

推計は同日の経済財政諮問会議で示された。12年の前回推計では、戦後ベビーブームの団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる25年度までを対象とした。今回初めて、その先の40年度まで見通した。65歳以上の人口が4千万人近くとピークに達し、人口のほぼ3人に1人を占める時期だ。

一方、15~64歳の生産年齢人口は18年度より約1500万人減り、税や保険料を負担し社会保障制度を支える就業者数も約930万人減る。政府は将来像を示し、改革論議を加速したい考えだ。

分野別では、高齢者数の増加で介護給付の伸びが2.4倍と最も大きくなる。介護サービスが必要な人の割合は年齢とともに上昇し、85歳を超えると5割を超す。40年ごろに85歳以上の人口は1千万人超と、現在の2倍以上になる見込みだ。

医療は40年度は68兆5千億円と、18年度比で75%増える見込みだ。現役世代の減少などに伴って自動的に給付を抑える仕組みがある年金は相対的に伸びが小さく、29%増の73兆2千億円。子ども・子育て関係は66%増の13兆1千億円を見込む。

もっとも、推計の前提には疑問符もつく。例えば医療では診療などサービスの単価は過去の実績を将来にも当てはめ、賃金と物価上昇率の平均に0.7%を上乗せした伸び率で計算している。介護も現行制度は在宅サービスの計画作成が無料など給付抑制の仕組みが不十分との指摘が多く、推計数字は膨らみやすい。

逆に、医療の技術革新による給付の伸びは「読み切れていない」(厚生労働省)。再生医療などの保険適用範囲が広がれば給付は膨らむ。実際の給付は想定の上にも下にも振れる可能性はある。

いずれにせよ、制度の支え手の負担は増す。推計では例えば、主に大企業の会社員が負担する医療・介護の保険料率は合計で年収の13.9%(労使折半)と、現状より3.2ポイント上昇するとした。40年度の保険料全体は現在の約1.5倍の107兆円が必要だという。

給付の膨張に歯止めをかけなければ、制度を支えきれなくなる恐れがある。推計は一定の経済成長や賃金増を前提とし、基本ケースで40年度のGDPは790兆円と18年度より4割増えるとした。だが過去の実績をみると、00年度から15年度までにGDPは0.7%増だった半面、GDPに対する社会保障給付の比率は6.8ポイントも上昇した。

医療や介護サービスを利用する高齢者の自己負担を引き上げたり、高齢者らが支える側に回る環境を政策で後押ししたりするなど、給付と負担のあり方を幅広く見直す改革が求められる。

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