対北朝鮮、密輸監視で圧力 英豪加と協力

2018/5/21 17:30
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海上で積み荷を差し替え、北朝鮮に石油などを密輸する「瀬取り」を監視するため、日本政府が諸外国との連携を強めている。オーストラリアとカナダ、英国が監視活動に加わり、太平洋島しょ国とも協力を確認。手口の巧妙化に加え、韓国籍の船舶が関与を疑われる事案も発生しており、国際社会の連携に綻びが生じないよう制裁の必要性を呼びかける。

「制裁緩和の時機を間違えてはいけない」。河野太郎外相は20日、訪問先のブラジル・サンパウロでの講演で強調した。北朝鮮が非核化に向けた具体的な行動を取るまで、経済制裁による圧力を続ける必要性を訴えた。

北朝鮮の密輸監視は日米両国に加え、4月末にオーストラリアとカナダが参加。米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)を拠点に航空機で監視活動を始めた。英国は5月上旬から海軍フリゲート艦「サザーランド」を日本周辺の公海に派遣。海上での情報収集に当たっている。

18~19日に福島県で開いた太平洋・島サミットでは、参加19カ国・地域の首脳宣言に瀬取り対策を盛り込んだ。参加国のなかにはサモアやマーシャル諸島、パラオなど、瀬取りへの関与が疑われている国がある。

自衛隊や海上保安庁は東シナ海を中心に瀬取りの警戒監視を続けている。北朝鮮船籍のタンカーが他国籍の船舶に横付けしている現場を見つけると写真を撮影する。今年に入り4件の写真を公開した。写真の公開は2月24日を最後に途絶えたが、日本政府は北朝鮮の手口が巧妙化し、監視の網をかいくぐっている可能性もあるとみて警戒を強めている。

4月末の南北首脳会談以降、日本政府は国際社会による北朝鮮への圧力が緩むのを懸念する。海上自衛隊は5月上旬、東シナ海の公海上で韓国船籍のタンカーが北朝鮮籍の船舶に横付けしているのを発見。韓国政府は瀬取りへの関与を否定したが、海上自衛隊の関係者は「怪しい動きであることは間違いない」と不信感を募らせる。

瀬取り対策の強化は、6月12日の米朝首脳会談を前に、非核化に向けた行動がみえない限り制裁を緩めない姿勢を北朝鮮側に示す狙いがある。安倍晋三首相は「瀬取りが抜け道になってはならない。日本が主導的役割を果たす」と語る。北朝鮮への圧力維持という日本政府の立場への支持を広げられるかが焦点だ。

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