2018年9月26日(水)

中国、金融・医療の市場開放 米中協議、サービス貿易促す

2018/5/18 18:28 (2018/5/18 22:11更新)
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 【ワシントン=河浪武史、原田逸策】米中両国は18日、ワシントンで第2回貿易協議の最終日に入る。米中外交筋によると、中国側は初日の17日に液化天然ガス(LNG)や農畜産品の購入拡大に加え、金融や医療分野の市場開放で中国へのサービス輸出を促す案を提示した。もっとも、ハイテク分野を巡る覇権争いは妥協策が見当たらず、米中協議の最終的な着地点はみえていない。

 トランプ政権は年3750億ドルという対中国のモノの貿易赤字を2000億ドル分減らすよう求めており、17日の協議では中国が具体案を示した。米国産の原油やLNGなどエネルギーの輸入を大幅に増やすとともに、航空機や半導体、農畜産品も購入を拡大する。

 さらに中国側は金融セクターや医療分野などの市場開放で米国のサービス輸出も促す案を提示し、トランプ政権に理解を求めた。米国は金融やIT(情報技術)などサービス分野では年380億ドルの対中貿易黒字を計上しており、同分野の市場開放で米国に黒字幅の積み増しを促す。知的財産権の保護策も説明したもようだ。

 中国側はその見返りとして通信機器大手、中興通訊(ZTE)の制裁解除を求めている。米商務省は4月、イランと北朝鮮への禁輸措置違反に絡んでZTEに制裁を発動。同社は半導体など基幹部材を調達できず経営危機に陥っている。トランプ大統領は17日、記者団にZTE救済を「習近平(シー・ジンピン)国家主席から頼まれた」と内幕を明らかにした。

 中国製品への追加関税の取りやめも要求している。トランプ氏は3月、500億ドルの中国製品に高関税を課す対中制裁案を表明し、米中協議が不調に終われば追加関税の発動に踏み切るとしてきた。中国はトランプ政権が求める貿易赤字削減策を示すことで決着させたい考えだが、米国側の条件はなお厳しい。

 トランプ政権が迫っているのは、習政権が巨額補助金を使ってハイテク産業を育成する「中国製造2025」計画の見直しだ。米産業界には同計画が米企業への技術移転の強要などにつながっているとの見方が強い。中国側は人工知能(AI)や自動運転など次世代産業の覇権争いで譲歩するのは拒絶しており、17~18日の協議で見直し策を提示する機運はみられない。

 もっとも、トランプ政権も強硬策ばかりではない。17日には訪米団のトップを務める劉鶴副首相をホワイトハウスに招き、トランプ大統領自ら会談した。劉氏は2月末に訪米した際、トランプ氏との面会を求めたが、かなわないまま帰国している。トランプ氏は17日ぎりぎりになって面会の日程をセットし、今回は劉氏のメンツを立てた。

 中国側にも歩み寄りの兆しがある。中国商務省は18日、4月に仮決定した米国産コーリャンへの反不当廉売(ダンピング)課税の仮決定を突如中止した。米国がZTEへの制裁を発動した直後に米国産コーリャンの課税が仮決定されており、ZTE制裁への報復措置とみられていた。

 米国はムニューシン財務長官らが5月3~4日に北京を訪れ、貿易問題を巡って実質的な初回会合を開いた。ただ、両者とも貿易不均衡やZTE制裁の解決を一方的に求めただけで、初回会合は物別れに終わっている。18日まで開く第2回会合で一定の進展があれば米中摩擦の懸念が和らぐが、再び決裂すれば泥沼に陥る不安が浮上する。

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