2018年12月18日(火)

東芝メモリ6月1日付で売却 中国独禁当局が承認

2018/5/17 19:38 (2018/5/17 20:58更新)
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東芝は17日、半導体メモリー子会社「東芝メモリ」を6月1日付で米投資ファンドのベインキャピタルなど日米韓連合に売却すると発表した。審査が長引いていた中国の独占禁止当局が計画を承認した。東芝メモリは当初計画通り総額2兆円で売却し、東芝は懸案だった財務改善にめどをつける。不正会計や米原子力子事業の巨額損失で揺れ続けた東芝の再建問題は大きな節目を迎えた。

東芝は売却で得る資金で借入金返済などを進め、経営再建に道筋をつける(東芝メモリ四日市工場)

中国当局が17日、日米韓連合を代表するベインの関係者に東芝メモリ買収案の承認を伝えた。東芝も17日夜、「売却実行の前提条件が全て充足された」とのコメントを発表。6月からベインが筆頭株主として東芝メモリの経営を主導する新体制を発足させる。

連合には韓国SKハイニックスが融資するほか、米アップルや米デルも優先株を引き受ける形で加わる。日本勢ではHOYAが出資する。東芝も4割程度の出資を保ち、参加企業と共同で生産設備の増強などを進め、メモリー最大手の韓国サムスン電子に対抗していく。

東芝は昨年9月、東芝メモリの売却先を日米韓連合に決定。今年3月末までの手続き完了を目指し準備を進めてきた。しかし連合にSKハイニックスなどが加わるため、半導体産業の育成に力を入れる中国が反発。日米欧など各国の独禁当局の承認が下りるなか、中国の審査だけが長引き、最後の関門となっていた。

メモリー事業は東芝の連結営業利益の9割を占める稼ぎ頭だ。売却を迫られたのは、度重なる経営危機が背景にある。

15年4月に不正会計が発覚、経営陣を刷新して再建を進めてきた。しかし16年末には米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)で巨額損失が発覚し、再び危機に直面した。債務超過を回避して上場を維持するため、17年2月に東芝メモリの過半売却を決めた。

だが東芝メモリの売却には協業先の米ウエスタンデジタル(WD)も反発。訴訟合戦に発展する曲折も経た。中国の審査長期化もあって東芝社内ではメモリー売却を撤回し、新規上場に切り替える策なども検討された。

東芝メモリの売却にメドが立ち、再建は大きく前進することになる。東芝メモリの売却により約1兆円の売却益を得る。株主資本比率は現状の2割弱から18年度末には4割超にまで回復する見通し。約6900億円ある有利子負債の返済に充てるほか、インフラやIT(情報技術)分野での買収投資に振り向ける。

課題は中長期的な収益力をどう育てていくかだ。売却で浮き沈みの激しいメモリー事業のリスクを軽減できる代わりに、世界で戦える貴重な収益源が細ることになる。

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