2018年11月14日(水)

急成長シェアオフィスは脅威か 米不動産会社の本音

CBインサイツ
米巨大ITへの逆風
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コラム(テクノロジー)
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2018/5/21 2:00
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■米CBRE「場所によってはウィーワークと競合する」

商業用不動産サービス大手のCBREは、ウィーワークを顧客としてだけでなく、ライバルとしてもみている。

スレンティック社長兼最高経営責任者(CEO)は17年7~9月期の決算説明会で「ウィーワークは当社の顧客だが、場所によっては競合している」と話した。ただし、こうも付け加えた。「当社はウィーワークに対抗できる位置につけている。当社にはこうした状況に対処できる様々な能力があり、将来的にさらに対処できるようしっかり投資していく」。

■米SLグリーン「ウィーワークはこれまでとは違う」

ボルネード・リアルティ・トラストによるウィーワークの言及回数

ボルネード・リアルティ・トラストによるウィーワークの言及回数

ニューヨークの不動産仲介大手SLグリーン・リアルティ(SL Green Realty)は、ウィーワークを従来のコワーキング企業とは異なる「最も重要なテナント」とみなしている。

ホリデーCEOは16年、コワーキング企業はかつてのITバブルの崩壊で経営破綻したコワーキングテナントと同様に「市場のリスクを高めるか」と問われた際、ウィーワークと過去の同業他社との違いを説明。「ウィーワークは異なるビジネスモデルを持つ別の会社だ。同社のモデルは大成功を収め、巨額の金銭的支援を引き付けている」と絶賛した。

■米ボストン・プロパティーズ「ウィーワークはパートナーかつライバル」

不動産開発を手掛けるボストン・プロパティーズ(Boston Properties)もSLグリーンと同様に、ウィーワークを支援し、提携している。

ボストン・プロパティーズによるウィーワークについての言及回数

ボストン・プロパティーズによるウィーワークについての言及回数

ボストン・プロパティーズは15年7~9月期に実施した決算説明会で、発表したばかりのニューヨーク・ブルックリン地区のオフィスビル「ドック72」の開発計画について話した。

ボストン・プロパティーズのトーマスCEOはウィーワークがドック72にテナントとして入居することをうれしく思うと述べた。この提携はブルックリン、特に「ハイテク業界やクリエーティブ業界のテナント」に広がる可能性があるからだ。

ボストン・プロパティーズのニューヨーク部門のパワーズ上級副社長は、ウィーワークがドック72の設計で担う積極的な役割が他のハイテク業界のテナントを取り込む上でプラスになると指摘。「ドック72をかなり快適な空間にするつもりだ。興味をそそる食べ物の提供やバスケットボールのコート、芝生エリア、会議場、大型フィットネスセンターを備え、その全てをウィーワークが監修する。このため、何らかの付加価値がもたらされるだろう。ウィーワークは付加価値を高めるのが得意だからだ。他のハイテク業界のテナントを取り込む上でプラスになる」と述べた。

ボストン・プロパティーズが16年4~6月期に開催した決算説明会では、ウィーワークが成長見通しを下方修正していたことが明らかになったとの報道を受け、ウィーワークへの対応を変えるのかと問われた。

ボストン・プロパティーズのリンデ社長は「当社が入手した全ての証拠は、ウィーワークの施設が大成功していることを示している。施設は満室で、魅力的な利益を上げている」と述べた。

リンデ氏は「当社は投資比率について思案している。投資額に限りがあるのは明らかで、投資できるテナントにも限りがある。創業から日が浅い企業に対してはなおさらだ」と述べた。

■米カズンズ、慎重なアプローチ

カズンズ・プロパティーズ(Cousins Properties)などの他の企業はウィーワークについて論じはじめたばかりで、ウィーワークが市場全体に及ぼす影響についてそれほど理解できていない。

例えば、カズンズがウィーワークに初めて言及したのは、コワーキングを徐々に推進している18年1~3月期に開いた決算説明会だった。

ゲラーステット会長兼CEOとコノリー社長兼最高執行責任者(COO)は、ウィーワークとの賃貸関係は付加的だとしつつも、コワーキングにどれほど力を入れるかについては控えめな見通しを示した。

ウィーワークは敵か味方か。不動産業界の中では意外と友好的な意見が多いものの、まだ見方は割れている。

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