2019年8月21日(水)

リコーの一眼レフ、一段と高画質に(新製品・解剖)
ペンタックスK-1マークII

2018/5/22 6:30
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フルサイズCMOSセンサーを搭載した一眼レフの最上位機種として2016年4月に発売した「ペンタックスK-1」の後継モデルで、撮影画像の高画質化を進めた。センサーで捉えた画像を適切に処理して画像処理エンジンに送るアクセラレーターユニットを搭載し、解像感や高感度での色再現性を高めた。ISOは常用で最高81万9200という超高感度に対応する。連続撮影した4枚から高精細画像1枚を生成する「リアル・レゾリューション・システムII」により高い画質と手ぶれ補正を実現する。

リコーのフルサイズ一眼デジカメ「ペンタックスK-1マークII」

リコーのフルサイズ一眼デジカメ「ペンタックスK-1マークII」

シャッター速度は30秒~8000分の1秒、連続撮影はフルサイズモードで毎秒最高4.4枚、動画はフルハイビジョン(フルHD)で最高60i(毎秒60コマ)。

防じん・防滴のマグネシウム合金による頑丈な構造や視野率100%のファインダー、画面の向きを自在に変えられるフレキシブルチルト式モニター、高画素のCMOSセンサーなど、ハード面の機能・性能は前モデルから継承した。

K-1ユーザー向けに21日~9月30日、主基板を交換し本体ロゴを付け替えてマークIIに準じた仕様に引き上げるアップグレードサービス(5万4000円)も受け付ける。

【評価委員の目】

■究極の一眼レフ作りへ強い意志

センサーシフト式の手ぶれ補正を利用するリアル・レゾリューション・システムは、カメラ内の処理に時間がかかるものの十分な高画質が期待できる。ベンチマーク機は風景撮影用というイメージの強かったD800系にあって動く被写体への対応力を高め、オールマイティー機としての完成度の高さを見せつけている。ミラーレスシフトが進む市場で両機種とも究極の一眼レフを作り出すという両社の開発陣の強い意志を感じる。〈カメラメーカーA担当者〉

■「ペンタックスの心」感じる

一眼レフを小型化するのにミラーレス化せず、あえて挑戦して完成したK-1から2年、さらに高みを目指した本機が登場した。画素数、本体重量などボディーそのものはK-1と同じながら最高ISO感度は20万4800から81万9200まで高まり、先進の画像処理システムによる高画質と撮影領域の拡大は魅力。スペック面のみならず一つ一つの使い勝手に、素材、ダイヤル位置など徹底的に議論を重ねた「ペンタックスの心」が感じられる。〈量販店関係者〉

■コストパフォーマンス高い

後発の下位モデルに搭載されていたアクセラレーターユニットを搭載してノイズを抑えた点はアピールできる。ベンチマーク機は高画素と連写性能を両立させた「一眼レフデジカメ」の"到達点"といって過言ではない完成度の高さ。ただ高感度性能は本機が上回り内蔵手ぶれ補正も強力。価格差を考えればコストパフォーマンスが高い。また前モデルユーザーもアップグレードできるサービスは企業姿勢として高く評価したい。〈デジタル機器専門家〉

■前モデルのユーザーにも配慮

K-1発売から2年間の技術の進歩を取り入れただけでなく、前モデル所有者に対して有料のアップグレードサービスにより、マークIIと同等の性能を提供する姿勢を評価したい。K-1ユーザーからの買い替えが期待できないため、販売数量に影響があると思われるが、ユーザーを大切にする姿勢は大切である。〈カメラメーカーB担当者〉

【リサーチャーの視点】ファンつなぎ留めるアップグレード

フルサイズ一眼レフとして登場したK-1が2年ぶりにモデルチェンジした。近年のデジカメ市場はレンズ交換型はミラーレス機へのシフトが鮮明になり、一体型はスマートフォン(スマホ)に押されて不振から抜け出せない。リコーも18年3月期の最終損益(国際会計基準)は1353億円の赤字。中期経営計画では選別すべき事業に「トラディショナルカメラ事業の減損」を挙げ、デジカメでも新製品を絞り込むなど構造改革を進めた。

交換レンズなど付属品の資産を持つレンズ交換型カメラのユーザーはメーカー動向に敏感。個性的な一眼レフ機で定評のあるペンタックス機のファンの心中は穏やかではなかったはずだ。こうした不安を払拭するように登場したのが本機だ。ハード的な仕様は前モデルと大きな違いはないが、画像処理システムと手ぶれ補正モードの刷新で一段の高画質撮影ができるようになった。さらに新製品発表と同時に在来モデルであるK-1のアップグレードサービスも発表した。所要7~10日で性能も外観も新製品と同等になる。このためかマークIIの当初生産計画は月3500台とK-1の半分。買い替え需要は見込めないが、本機はKシリーズを大切にしていくというリコーからのファンへのメッセージとなった。(シニアリサーチャー 紙谷樹)

【製品の仕様】
■発売日 4月20日
■価 格 25万2000円前後(本体)、30万5000円前後(28-105WRレンズキット)
■本 体 幅136.5×高さ110×厚さ85.5ミリメートル。1010グラム(電池類含む)
■撮像センサー フルサイズ(35.9×24ミリメートル)CMOS
■有効画素数 3640万画素

【ベンチマーク製品】

ニコンのフルサイズ一眼レフ「D850」。暗所撮影に強い裏面照射型CMOSセンサーをニコンの一眼レフでは初搭載した。有効4575万画素、常用ISO感度は64~2万5600(拡張32~10万2400)。シャッター速度は1/8000~30秒。連続撮影は本体のみで最高毎秒7枚、マルチパワーバッテリーパック装着時で同9枚。旗艦機「D5」と同等のオートフォーカス(AF)システムを備え、素早いピント合わせができる。モニターは3.2型TFTカラー(約236万ドット)。本体は幅146×高さ124×奥行き78.5ミリメートル、重さ1005グラム。17年9月8日発売。本体40万円弱。

 「新製品・解剖」は注目の新製品を選び、同業他社や、卸・小売店の担当者ら流通関係者、大学教授や評論家などの専門家に1品目について3~5人に評価を依頼しています。コンセプト、新規性、技術革新度、生活提案性、性能・品質、デザイン、環境・健康への配慮度、価格メリット、使い勝手、広告宣伝力、販売チャネルの多寡、ブランド力の12項目をベンチマーク製品(競合製品)と比較して採点しています。独自性の高い商品は絶対評価しています。新製品・解剖に取り上げた商品以外についても日経産業新聞・新製品面「解剖NEW FACE」で概略を紹介しています。

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