東証2部、まるで「東芝市場」(市場点描)

東京証券取引所第2部の予想PER(株価収益率)に混乱が生じている。16日時点で6.30倍と前日の9.96倍から急低下した。原因は15日の決算発表で2019年3月期の純利益が1兆700億円と前期から2600億円以上増えると発表した東芝。1社で2部企業の純利益の4割を占める「巨鯨」が投資のモノサシを揺さぶっている。
2017年8月に東芝が東証1部から2部に降格して以降、2部のPERが急変動するのは4度目。すべて東芝の決算発表が原因だ。1度目は昨年8月上旬で、17倍台から13倍台に下がった。逆に昨年10月は14倍台から25倍台まで急上昇した。
東証2部の時価総額は現在約9兆8000億円で、東芝(約1兆9000億円)が約2割を占める。東証2部株価指数への影響度は大きく、東芝の値動きに指数が引っ張られる局面がめだつ。
東証2部は債務超過に陥ったシャープが16年8月から17年12月まで登録され「あまりに大きな銘柄が加わるのはいかがなものか」(国内証券)との声も出ている。先物や上場投資信託(ETF)もなく機関投資家の売買も限定的。東芝に振らされる状態が長引けば、市場の存在感がさらに低下してしまう。
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