迷わない断捨離 コスメは3カ月、本は「捨て棚」へ

紙類、本、コスメ……。放っておくと無限にたまりがちなモノは、手放しどきの見極めが大切。上手な手放し方を、その道のプロに教わりました。
「モノを手放すチャンスは3回あります」と語るのは、整理収納コンサルタントの森山尚美さん。最初の手放しどきは「モノが家に入るとき」。不要なモノを家に入れなければ、手放す必要も片づける必要もない。「とりあえず、もったいないから、は厳禁。本当に必要なモノか、いったん考える習慣を持って」(森山さん)。
家に入れたモノには「手放しどきを定める」のも大事。「本は決めたスペースに入る分だけ、タオルは1年、子供の学校のプリントは学期末までなど、各アイテムに手放しどきを決めておけば、迷わず機械的に手放す行動に移せます」と森山さん。手放しどきを迎えていないか「定期的にチェック」する。モノは自然にたまってしまう。「手放しどきを迎えているモノがないか、定期的にチェックしましょう。これで常にスペースに余裕が生まれ、「片づけグセ」が身に付いていきます」。
【01 コスメ】「5年前の顔」にならないための手放しどきはコレ!

「コスメは開封したら劣化が始まります」と語るのは、ヘア&メイクアップアーティストの新見千晶さん。敏感な目元や口元などに使うモノは、開封後3カ月を目安に使い切ろう。クリーム状のモノは油分が入っており劣化が早い。色モノにも流行があるので、古いものは処分を。
【見極め】まつげがくるんとカールする?
【手放しどき】「まつげが上がらなくなったら」「まつげが切れやすくなったら」
「まつげが上がらない、切れやすいのはビューラーの劣化のサイン」。まずはゴムを換えよう。使用頻度にもよるが、3カ月~半年が目安。それでもダメなら本体がゆがんだ恐れが。買い替えよう。
【見極め】色がヘンになっていない?
【手放しどき】「3カ月以上たって色が変わったら」「脂っぽいニオイが気になったら」
肌が敏感な唇に使うアイテムは、特に清潔を保ちたい。「口紅やグロスは油分が多くて酸化しやすいので、開封後3カ月を目安に」。表面に汗のように油が浮いたり、色がくすんだりしたら手放そう。
【見極め】脂っぽいニオイがしない?
【手放しどき】「分離していたら」「1年以上たったら」

リキッド状のアイテムは油分が多くて酸化しやすいので、ワンシーズンが目安。もし分離していたら、即処分しよう。パウダーファンデーションは、スポンジを清潔に保てば1年くらいはOK。
【見極め】肌に合わなくなっていない?
【手放しどき】「記載の使用期限が来たら」「肌に合わないと感じたら」
スキンケアコスメは、記載された使用期限を守ろう。オーガニックコスメなど期限が短いものもあるので注意。「ジャーに入ったクリームなどは、面倒でもスパチュラですくい、清潔な状態を保って」。
【見極め】細いラインがすっと引ける?
【手放しどき】「筆先が乱れてきたら」「細くて濃いラインが引けなくなったら」
リキッドのアイライナーは筆先の乱れが見極めポイント。3カ月を目安に手放そう。「ペンシルタイプのアイライナーは劣化しにくい。シャープナーで先をとがらせて、1年を目安に使い切って」。
【02 紙類】紙類は毎日の「捨て習慣」が鍵

油断すると、毎日際限なく増えるのが、紙類。「整理収納に関する相談で最も多いのが、紙モノの対処法についてです」(森山さん)。家に入り込まないように極力ストップし、出ていく仕組みを整えるのが、手放すポイントだ。
【手放しどき】「確定申告に使ったら」「家計簿に記帳したら」
財布にたまるレシートは、不要なら即捨てる。「家計簿や確定申告に必要なら、もらった当日にノートに貼ると迷子になりません」。
【手放しどき】「必ず開封して、要・不要を判断」
カード会社などのDMは、重要なものとそうでないものが混在。「すぐに開けて、不要なものは捨て、必要なものはファイルへ」。
【03 本】「積ん読派」は本の総量を決めて

読書が好きな人ほど、本を手放す基準が決められず、家に本があふれてしまいがち。一定のスペースを定めて、定期的に要・不要を自分に問うといい。これを繰り返すうちに、ラクに本を手放せるようになる。

【手放しどき】「死蔵本を見つけたら」
「本が多いため、前後に重ねたりすきまに詰めたりしている人は、持っている本を把握できていません」。「死蔵本」の発見が手放す第一歩。
【手放しどき】「次に読む機会が想像できなければ」
どうしても本を手放せない人は、自分に問いかけをしてみて。「新刊のうちに手放せば、フリマアプリなどですぐに買い手がつき、次の本の購入資金に充てられます」。
【04 下着、タオル】伸びた下着、ごわごわのタオルは潔く処分

まだ使えるから、と手放しにくいのが下着やタオル。所有する数や収納スペースを決め、「年末にまとめて」など、手放すタイミングになったら総取り換えする。
【手放しどき】「生地が伸びてきたら、1年以上着ていたら」
「下着は、見られても恥ずかしくない「1軍」を必要最低限の数で持ちましょう」。見た目の劣化はもちろん、汗などのニオイも落ちなくなるので、寿命は1年が目安。
【手放しどき】「年末など決めた時期に一度に買い替え」
「ゴワつきが気になるタオルを使うと気分ダウン。手放しどきに迷うタオルは『年末にまとめて新調、古いタオルは雑巾に』などとルールを決めて」
【05 食料品】もう使うと思えない調味料や食品は迷わず捨てる

「野菜室に干からびたニンジン、棚の奥に賞味期限切れのお菓子」││。これをなくすには、「在庫管理」が大切。定期的に在庫と賞味期限を把握できるよう、見やすく整理しておこう。

【手放しどき】「消費期限が切れたら」「鮮度が落ちたら」
野菜や果物は週に2~3回鮮度をチェック。肉や魚は消費期限までに使い切る。食品が毎日替わる庫内で手放しどきを逃さないために、庫内の整頓も必須。
【手放しどき】「賞味期限が切れたら」「次に使う機会が想像できなかったら」
保存食品は賞味期限で見極めるのが基本。1カ月に1回はチェックを。期限前でも、使う予定が思いつかない調味料などは手放そう。
【06 もらいもの】使わないものは手放してリサイクルに

景品や、知人からのプレゼントは、使わないまま家の中にためこみがち。「「気持ち」をいただいたと考えて、大事にしてくれる次の持ち主を探したら、気持ち良く手放しましょう」。
【手放しどき】「もらったばかりでも不要なら即手放す判断を」
景品やもらいものは、自分の好みと合わないことも多い。「要・不要を見極め、不要なものは「リサイクル箱」に入れて。必要な人にあげたり、売ったりします」。
【手放しどき】
「自分が使わないと思ったらすぐに」
「遺品や目上の人からのもらいものは処分しにくいですが、モノをもらったときに気持ちを受け取っていると考え、不要なら手放しましょう」



(ライター 武田京子、写真 小野さやか=森山さんの自宅、スタジオキャスパー=アイテム)
[日経ウーマン 2018年5月号の記事を再構成]
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界