2018年10月21日(日)

アンワル元副首相「マハティール氏の改革支える」 首相の禅譲時期焦点に

2018/5/16 18:30 (2018/5/16 18:37更新)
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【クアラルンプール=中野貴司】マレーシアのアンワル元副首相が16日、国王の恩赦を受けて釈放された。今回の総選挙でマハティール首相と共闘したアンワル氏は同日、「改革を遂行するためにマハティール氏を全力で支える」と発言。同氏との過去の対立を水に流し、国民の期待に応えていくと強調した。1~2年後とするアンワル氏への首相職の禅譲が円滑に進むかが今後の焦点となる。

約3年ぶりに自由の身となったアンワル氏は釈放後、妻のワンアジザ氏ら家族と記者会見に臨んだ。その場でネクタイを外し、時折笑顔を見せながら「今日はマレーシアにとって新たな夜明けだ」と力強く語った。

1998年当時、副首相兼蔵相だったアンワル氏を解任し、逮捕に追い込んだマハティール氏については「私は今、国家のことにしか関心がないし、彼のことは許す」と明言した。国王に恩赦を求め、釈放に尽力したマハティール氏に感謝の意も示した。ナジブ前首相に関しては「個人的に恨みはない」としつつも「犯した不正や犯罪に対して国民に説明する義務がある」と指摘した。

マハティール氏は16日、アンワル氏の当面の処遇について「閣内に入らず、党の側で貢献することになる」と述べるにとどめた。

16年に新党を結成したマハティール氏はナジブ政権を倒すため、13年の前回総選挙で野党連合を率いたアンワル氏を頼った。今回の総選挙でマハティール氏は野党連合の首相候補となったものの、政権交代を果たした場合はアンワル氏の恩赦を申請し、一定期間を経たら首相職を譲ると約束していた。

アンワル氏は選挙中、けがで入院中の病院からフェイスブックなどを使って野党支持を呼びかけ、政権交代に貢献した。

アンワル氏が次の首相になるには、補選などを経て下院議員になる必要がある。08年にアンワル氏が国政に復帰した際は、妻のワンアジザ氏が議員を辞め、補選の道を開いた。ただ、今回ワンアジザ氏は副首相への就任が決まっている。補選での立候補を可能にするには、与党連合内での調整が必要となる。

自身の人生を暗転させたマハティール氏とのわだかまりが本当に解消したかどうかは外部からはうかがいしれない。マハティール氏は1月、「敵の敵は味方といった関係だ」と2人の関係を表現したが、共通の敵と位置づけたナジブ氏も失脚した。

国民の人気が高い2人の関係がぎくしゃくし出すと政権運営に支障が出て、国民の支持も離れる可能性がある。92歳と高齢のマハティール首相が約束通り禅譲を果たすかどうかが新政権の大きな課題となる。

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