2018年10月18日(木)

iPS心臓治療 阪大・澤教授「患者を助けたい」

科学&新技術
2018/5/16 16:32
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大阪大学は16日、厚生労働省の専門部会でiPS細胞を用いた心臓病の臨床研究計画が条件付きで了承されたことを受け、都内で記者会見を開いた。澤芳樹教授は「たくさんの心不全患者が待っている。有効な治療として患者を助けられたらと強く期待している」と意気込みを語った。

臨床研究は他人のiPS細胞から心臓の細胞のシートを作り、重症心不全患者に移植する。3年間で3人を対象に実施する計画だ。移植後1年間の経過観察で安全性や有効性などを評価する。

部会で指摘があった患者同意文書の修正などを経て臨床研究を開始。京都大学が備蓄しているiPS細胞から心筋細胞を大量培養する工程などがあるため、1例目の治療は年明けになる見通し。

澤教授は「心筋シートが分泌するたんぱく質によって機能の高い血管ができ、心機能が改善する」と説明した。ただ「動物実験と患者の心臓は全然違う。きわめて慎重に進める」と強調。特に1例目の移植後は一定期間をおいて、安全性を詳しく検証する。1例目の安全性を確認したうえで2例目以降を進めるという。

他人の細胞を移植するため、計画では免疫抑制剤を半年間投与し、移植した細胞が3カ月以上定着することを目指す。臨床研究が順調に進んだら、医師主導の臨床試験(治験)に進む考え。その後は、阪大発のスタートアップ企業を通じて国の製造販売承認の取得を目指すという。

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