2018年12月13日(木)

イノベーションって何? ビジッツが学生向けイベント

2018/5/16 13:25
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本郷をシリコンバレーに――。東京大学の学生を中心に、起業を志す学生を支援しようという取り組みが進んでいる。15日には「イノベーションとは何か」をテーマにした講演会が開かれた。主催したのは人工知能(AI)開発などを手掛けるビジッツテクノロジーズ(東京・港、松本勝社長)。自身も東大卒の松本社長が「東大シリコンバレー化計画」を率いる。

「イノベーションは技術革新が伴っていなくてもいい」と宮沢代表が指摘=15日、東京・文京

東大や慶応、横浜国立大などの学生が集まった=15日、東京・文京

「イノベーションとは何だと思いますか」。15日、講師として壇上に上がった博報堂のブランド・イノベーションデザイン代表の宮沢正憲氏が集まった約40人の学生に問いかけた。「ネスレのネスプレッソ(カプセル式コーヒーマシン)」「自動車」――。さまざまな答えが挙がる中、宮沢氏がこう指摘した。「イノベーションとはもともと『新結合』という意味。技術革新が伴っていなくてもいい」。

英語の「innovation」は多くの場合「技術革新」という訳語が当てられる。宮沢氏は、この訳に問題があると指摘した。「新しい技術が全くなくてもイノベーションになり得る。クルーズトレインはその典型だ」(宮沢氏)。新技術が開発できなくても、発想の転換や新しい価値を作り出すことでイノベーションを起こすことができるという。

日本で起業家が少ない理由について一言、「失敗を許さない環境がある」。一方で、起業を目指す学生には「ものづくり系だと莫大な初期投資が必要。失敗しても大丈夫な規模で起業するといい」と意識を変えるようアドバイスした。

参加した学生からも鋭い質問が飛んだ。自身も起業を検討したという慶応義塾大3年の上出恵大さんは「米フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ氏や、米連続起業家のイーロン・マスク氏のようなイノベーターは教育で後天的に生むことができるのか」と疑問を投げかけた。

応じた宮沢氏は「『イノベーターを育成します』という文句の教育機関は怪しい。イノベーターが生まれるのは宝くじのようなものだ」と指摘。「当たる確率は低いが買わないと当たらない。米国の場合は起業家の母数が違う。まずは起業家の数が増えないと大きな影響力を持つイノベーターを生むのは難しいだろう」と話した。

イベント会場は、東大の赤門近くに設けられた学生専用スペース「ハロー、ビジッツ東京大学」だ。ビジッツテクノロジーズが全国の大学近くに設けるフリースペースで、東大の他に慶応大や京都大学などの近くにも拠点がある。松本社長は「社会人はコワーキングスペースがあるが、学生向けはなかった。今後もイベントなどを通じてイノベーションの起点になるような拠点を目指す」と話す。(矢野摂士)

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