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Jリーグ前半戦、絶好調の広島に秘密はない
サッカージャーナリスト 大住良之

(2/3ページ)
2018/5/18 6:30
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第5節の川崎戦(アウェー)でFWパトリックが今季初ゴール。彼はこの後9試合で9得点の「大爆発」で広島の攻撃をリードする。「1点差から2点差へ」は、この「パトリックの覚醒」が大きな要素になっている。だが、広島の強さの要因をパトリック、あるいはPKストップをはじめ好セーブを繰り返しているGKの林卓人など、個人に帰することはできない。

広島の首位快走はパトリック(右)の「大爆発」だけが要因ではない=共同

広島の首位快走はパトリック(右)の「大爆発」だけが要因ではない=共同

今季の広島を見ていて感じるのは、攻守両面での忠実さ、基本の徹底だ。

粘る守備、奪ったら縦へ

守備ではとにかく粘る。ボールを失った瞬間に前線から1人もさぼらずに守備に入り、押し込まれて決定的なピンチになったときも何人もの選手の足が動いていて相手のシュートをブロックする。それが14試合で失点わずか6という堅守となって勝利に大きく貢献している。

一方、攻撃では特に「2点差勝利」となった第7節以降の試合でシンプルさと縦への速さが目立つ。ボールを奪うと、簡単にさばいて前に出ていく。ドリブルするチャンス、縦パスのチャンスを広島はめったに逃さない。ボールを奪ってからの優先順位が明確で、しかもチーム全体に共有されている。

「第1ステージ優勝」には大きな秘密はない。Jリーグ発表のデータでは、広島の「走行距離」は18チーム中6位、「スプリント回数」にいたっては16位。広島は現代サッカーの「常識」と言えるものを、高いレベルで、しかもどの試合でも安定して発揮しているだけなのだ。チームがここまで意思統一されていなければ、パトリックもコンスタントな得点力を出せなかっただろう。

現在のJリーグのなかでは傑出した力を持つ選手のひとりであるMF青山敏弘と、26歳のMF稲垣祥のボランチコンビは果敢にシュートレンジまで進出し、左サイドのMF柏好文とDF佐々木翔のスピードと運動量は相手にとって大きな脅威になっている。だが繰り返すが、広島の強さはチームにあり、「個の力」で勝利をもぎとっているわけではない。

広島に大差をつけられているものの、2位のFC東京、3位の札幌もここまでやると予想した人は少なかったろう。

今季のJ1で広島から勝ち点3を奪った唯一のチームであるFC東京も広島と同様、粘り強い守備と縦に速い攻撃でどんどん調子を上げてきた。なかでもFWディエゴオリヴェイラと永井謙佑の2トップが猛烈な運動量とスピードを武器に攻守両面で大活躍をみせている。

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