2018年5月24日(木)

北朝鮮、南北閣僚会談延期を通告 米朝会談へ揺さぶり

米朝首脳会談
朝鮮半島
2018/5/16 11:00 (2018/5/16 13:13更新)
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 【ソウル=恩地洋介】北朝鮮の朝鮮中央通信は16日未明、同日開催を予定していた南北閣僚級会談への参加を中止すると報じた。11日から始まった米韓軍事演習に関し、南北首脳会談で署名した板門店宣言に対する「露骨な挑戦だ」と反発。6月12日に予定する米朝首脳会談について「一方的な核放棄を強要するなら、応じるかどうかを考慮する」と警告する高官の談話も発表した。非核化交渉で米側を揺さぶる狙いとみられる。

 16日の南北閣僚級会談は、南北軍事境界線上の板門店の韓国側施設「平和の家」で開く予定だった。4月27日の南北首脳会談以来初めての閣僚級会談で、南北の経済交流や離散家族など人道問題を巡る協議を想定していた。

 北朝鮮が非難したのは米韓空軍が11日に開始した航空戦闘訓練「マックス・サンダー」。朝鮮中央通信は「我々に『最大の圧迫と制裁』を加えようとする米国と南朝鮮(韓国)の変わらぬ立場の反映で、板門店宣言に対する露骨な挑戦だ」などと主張。「我々が示した努力と善意に非道な挑発で応え、全同胞と国際社会に懸念と失望を与えている」と反発した。

 軍事訓練は米韓が毎年実施しており、今回は25日までを予定。米軍の戦略爆撃機B52や最新鋭ステルス戦闘機F22など100機余りが投入されるとみられる。北朝鮮はかねて核兵器を搭載できるB52など爆撃機の飛来に過敏に反応してきた。

 北朝鮮は16日午前、金桂官(キム・ゲグァン)第1外務次官の談話も発表。ボルトン米大統領補佐官が「核放棄先行」や「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」を唱えていることを非難し「トランプ政権が一方的な核放棄を強要するなら、朝米首脳会談に応じるかどうかを改めて考慮せざるを得ない」と主張した。6月12日にシンガポールで開く予定の米朝首脳会談に先立ち、経済・軍事の両面で制裁圧力を続ける米側の軟化や、自らに有利な合意内容を引き出す意図があるとみられる。

 朝鮮中央通信は別の理由も挙げた。16年に韓国に亡命した元北朝鮮駐英公使の太永浩(テ・ヨンホ)氏が14日にソウル市で記者会見し「北朝鮮の完全な非核化は不可能」などと述べたことを受け、韓国政府を「我々の尊厳と体制をそしり、板門店宣言を中傷する行為を公然と放置している」と非難した。

 韓国統一省は16日、北朝鮮の通告について「遺憾であり、速やかに会談に応じることを求める」とする報道官声明を発表、同日中に通知文を北朝鮮側に送付する。聯合ニュースによると韓国の宋永武(ソン・ヨンム)国防相とブルックス在韓米軍司令官が16日、緊急会談した。

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