2018年7月23日(月)

米抜き核合意へ打開策「数週間で」 欧・イラン外相会合

トランプ政権
ヨーロッパ
中東・アフリカ
2018/5/16 8:46
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 【ブリュッセル=森本学】米国のイラン核合意からの離脱を受け、英仏独と欧州連合(EU)は15日、ブリュッセルでイランとの外相会合を開いた。米国抜きでの核合意の存続に向けた打開策を「数週間以内」に目指すことで一致した。米国が再開するイラン制裁が欧州からの投資を阻めば、イランが合意にとどまる経済的な見返りを失い、合意が崩壊する懸念がある。イランと取引のある欧州企業を米制裁から守る解決策を探る。

15日、ブリュッセルで開いた外相会合に出席するイランのザリフ外相=AP

 会合でイランと英独仏、EUは米国抜きでもイラン核合意の堅持を目指す方針を確認した。会合後に記者会見したEUのモゲリーニ外交安全保障上級代表(外相)は「経済制裁の解除とイランとの通商・経済関係の正常化が核合意の必須な部分だ」と強調。核合意の崩壊を避けるため、イランの経済的な見返りの確保が不可欠だと訴えた。

 中でもカギを握るのが、米国が再開するイラン制裁から欧州企業をいかに保護するかだ。米国は最長半年の猶予期間を経て、制裁を再開する見通し。米制裁ではイランと取引を行う欧州企業も制裁対象となる。制裁が欧州企業のイラン市場進出を阻めば、イランが核開発制限を継続する経済的な見返りがなくなる。

 イランのザリフ外相は会合終了後、記者団に「良いスタートを切った」と語ったが、欧州から投資継続の「確証」が得られなければ、イラン国内の強硬派が合意破棄へ勢いづくのは必至だ。ロウハニ大統領も国益に合致しない場合は核合意を離脱するとの姿勢を示す。

 EU内では欧州企業の保護策として、欧州投資銀行(EIB)などEU機関による対イラン融資や、EUレベルでのイランへのユーロ建て信用枠などを検討している。

 米制裁への強硬な対抗手段として、EUが欧州企業に第三国による経済制裁に従わないよう命じる「ブロッキング規則」も検討する見通し。同規則は96年に米国の対キューバ制裁への対抗手段として制定された。これまで発動されたことはなく、実効性は未知数だ。

 EUは16日夜にブルガリアの首都ソフィアで開く非公式のEU首脳会合でもイラン核合意を協議。イランが核合意を順守する限り、欧州側も合意を堅持する姿勢で結束を目指すとともに、米制裁からの欧州企業の保護策についてユンケル欧州委員長が「複数の選択肢」(EU高官)を示す見通しだ。

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