2018年10月23日(火)

中国車載電池CATL、欧州生産「検討の最終段階」

2018/5/16 8:18
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【ハノーバー=深尾幸生】欧州最大級の車載電池の見本市「バッテリーショー・ヨーロッパ」が15日、ドイツで開幕した。車載電池の世界大手、中国の寧徳時代新能源科技(CATL)の欧州トップ、マティアス・ツェントグラフ氏は基調講演で「欧州での工場建設は検討の最終段階」と述べた。電気自動車(EV)普及に向け、欧州でも電池産業の集積が進みそうだ。

欧州最大級の車載電池見本市「バッテリーショー・ヨーロッパ」には300以上の企業が出展した(15日、独ハノーバー)

CATLのツェントグラフ氏は電池セル工場進出について「数週間以内に決める」と述べた。立地や投資額、生産能力などを見極めているという。CATLは2020年までに50ギガワット時の生産能力を確保するとしており、欧州でも20年ごろの稼働を目指しているとみられる。

CATLは韓国LG化学などと並んで、独フォルクスワーゲン(VW)から電池調達先に選ばれた。ツェントグラフ氏は「中国から欧州に運べば6週間かかる。それでは長続きしない」と述べ、現地生産の必要性を強調。ポーランドやハンガリーに進出しているLGやサムスンSDIなどの韓国勢に続く見通しだ。

「アジア勢に依存するわけにはいかない」。欧州連合(EU)やドイツの政府関係者がたびたび口にする言葉だ。CATLが進出してもアジアメーカーに依存していることは変わらない。こうしたなか、欧州にギガファクトリーを建設しようとしているスタートアップ2社の幹部も登壇した。

ノースボルト(スウェーデン)は19年の完成に向け、小規模なパイロット生産ラインを含む開発施設の建設を始めた。独テラEもまずはフォークリフトや電動工具向けの電池を生産するとした。先行するLGやパナソニックに追いつくのは容易ではないが、「オルタナティブ(代わりとなる選択肢)を目指す」(テラEのホルガー・グリツカ最高経営責任者)と話す。

EV普及への課題とされてきた電池のコストダウンについてはめどがつきつつあるとの見方が大勢を占めた。VWの電動車を担当する最高技術責任者(CTO)、フランク・ベーケマイヤー氏は「今日でも、すでにパリティ(等価)を実現できる」と述べた。19年から量産を始めるEV「I.D.」を現行のエンジン車と同等の価格で販売する。

VWは3月、マティアス・ミュラー前社長が、電池の調達価格を1キロワット時あたり100ユーロ(約1万3千円)以下で契約したことを明らかにしていた。EV販売台数で世界首位を争う北京汽車集団傘下の北京新能源汽車(BJEV)の幹部は電池パックの価格を25年までに現在より約3割下げるとし、EV市場の拡大に自信を見せた。欧コンサルティング会社は今後の電池価格の低下を予測した。

バッテリーショー・ヨーロッパは17年に続き今回が2度目の開催。素材メーカーや装置メーカーなど約350社が出展した。

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