2019年7月18日(木)

富山県、県内就職増へ県外出身学生の家族向けパンフ

2018/5/15 21:29
保存
共有
印刷
その他

お子さんを富山で働かせませんか――。富山県は県外出身の学生に県内就職を促すため、学生の家族向けパンフレットを発行した。専用アプリを使うとスマートフォン(スマホ)などでPR動画を閲覧できる機能もあり、「家族にも富山の良さを知ってもらいたい」(県企画調整室)と話している。

富山県が作成した県外出身学生の家族向けパンフレット

「富山の『しごと』『くらし』ご案内パンフレット」は、A4判三つ折り6ページ。県内のものづくり企業の紹介や県外出身で富山で働く先輩の一言を掲載した。さらに、「持ち家率全国1位」「若者の正規雇用率全国1位」といった統計データも使って働きやすさ、住みやすさをアピールしている。

AR(拡張現実)アプリを使ってスマホなどを写真にかざすと、企業の特長や若手社員の仕事ぶりなどを紹介する動画のダイジェスト版が流れる工夫も凝らした。富山出身のタレントでNGT48の中井りかさんが、県内の魅力あるスポットを紹介するオリジナル動画も視聴できる。

動画の完全版が掲載された学生向けウェブサイト「つづく富山、えがく未来」に飛ぶこともできる。企画調整室は「スマホを使って気軽にアクセスしてほしい」と話す。

家族向けパンフレットを作った理由の一つが、県内の大学や専門学校などで学ぶ県外出身の学生の富山への定着率が伸び悩んでいることだ。2017年3月に大学などを卒業した学生のうち、県内出身者の県内就職率は約85%に上るのに対し、県外出身者は約21%。この数字を上げるため、「進路を決める時に意見を参考にする学生も多い家族にアプローチする」(企画調整室)という戦略をとった。

パンフレットは4000部印刷した。県内の大学、短大に配布して、学生経由で家族に渡るようにする。また、就職ガイダンスに家族が訪れる機会を利用するなどPR方法についても学校側と協力しながら工夫していきたいという。

一方、学生向けのウェブサイトについても企業情報を更新するなど、コンテンツの充実を図る。2月に中井さんの動画が公開されて以降にページビューが2倍以上に増えていることから、「学生を引き付けるような新たな動画も掲載していきたい」(同)としている。(伊藤新時)

 富山県内で学ぶ大学生を引き留めるには「富山への愛着」がカギ――。県は2015年に富山大学、富山県立大学、富山国際大学、高岡法科大学の3年生2471人を対象に行った「富山県への定着に関する大学生意識調査」の結果をこう分析している。
 回答した1356人のうち県内出身者の希望する就職地は県内64%、県外10%で「こだわらない」が4分の1だった。一方、県外出身者では県内9%、こだわらないが42%で県外での就職希望がほぼ半数を占めた。
 県外出身者に富山県での就職を希望する理由を複数回答で聞くと「富山県に愛着がある」が50%で最も多かった。次いで「恋人・友人がいる」が31%、「給料と生活費を考えると富山の方が良い」が22%、「希望する仕事・就職先がある」が21%と続いた。
 逆に県外での就職希望の理由は「出身地に戻りたい」69%、「富山県は娯楽が少ない」25%、「都会で生活したい」20%などの回答が並んだ。
 こうした調査結果から県では県内学生に県内就職を促すには「富山県への愛着を深めるための教育・研究や情報提供を一層進めることが重要」としている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。