長岡技科大、鉄を多く含む透明ガラス開発
長岡技術科学大学(新潟県長岡市)は、鉄を多く含む透明度の高い結晶化ガラスを開発した。電気をよく通し、熱線を吸収するなどの特徴がある。電気自動車向けのナトリウムイオン全固体電池の材料を研究中、今回のガラスの開発に成功した。同電池の材料に加え、太陽熱発電などへの応用も期待できるという。
一般的なガラスは鉄の含有割合が0.1%未満であるのに対し、新開発のガラスは約20%に高めた。従来は鉄を多く含むと黒く不透明になるとされていたが、徐々に温度を500度まで上げて加熱する方法で、透明度が高いガラスをつくった。
長岡技科大の本間剛准教授らは、正極材に結晶化ガラスを使うナトリウムイオン全固体電池の試作品を開発した。その研究の過程で、同大の学生が今回のガラスの特性を発見したという。
新開発のガラスは赤外線を吸収する特性を生かし、建物の窓ガラスに使って太陽からの熱を吸収・蓄積して発電するといった用途が見込まれる。
鉄を多く含むため、磁石に付く性質もある。時計などの工業製品の磁場を可視化する検査装置にも採用できる可能性があるという。