2018年11月22日(木)

米大使館移転、パレスチナ衝突拡大止まらず

2018/5/15 18:35 (2018/5/15 22:30更新)
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【カイロ=飛田雅則、ニューヨーク=高橋里奈】米国の在イスラエル大使館移転に反発するパレスチナ自治区での抗議デモは15日も続いた。同日は70年前のイスラエル建国で多数の難民が発生した「ナクバ(大惨事)」と称する記念日で、抗議デモは激しさを増した。前日からのイスラエル軍との激しい衝突で60人超が死亡。ヨルダン川西岸でも抗議行動が発生した。欧州はイスラエルと米国への批判を強め、亀裂が一段と深まっている。

国連安全保障理事会は15日午前、ガザの衝突を受けて公開の緊急会合を開いた。会合の開催を要請したクウェートなどはイスラエルを非難した。米国のヘイリー国連大使は犠牲者が拡大したのはイスラム原理主義組織ハマスに責任があると指摘。衝突のきっかけとなった大使館移転について「エルサレムでの米大使館開設は米国民の意思だ」と正当化した。

トランプ政権は英独仏などの制止を振り切ってイラン核合意からの離脱を強行したばかり。欧州との亀裂は鮮明で、米国の国際的な孤立を招くおそれがある。

ガザのイスラエルとの境界付近ではパレスチナ人によるデモが続き、負傷者は2700人以上に上る。今後も犠牲者が膨らむ可能性がある。

15日は「ナクバ」の記念日で、ガザを実効支配するハマスはデモを呼びかけた。ヨルダン川西岸でも数百人の抗議行動が発生し治安当局と衝突。イスラエルの占領が続く東エルサレムの商店は抗議のため営業を休止した。

イスラエルのネタニヤフ首相は「どの国も境界線を防衛する義務がある」と正当防衛を主張。イスラエルはデモ隊に暴力行為を命じるハマスの軍事拠点に対して、空爆や砲撃を続けた。

デモ隊を銃撃するイスラエル軍に批判が広がっている。英国外務省の担当者は15日、「なぜこれほどの重火器がガザで使われたのか調査する必要がある」と語り、イスラエルに自制を求めた。ドイツ政府も同日、ガザを対象にした独立調査が必要と強調した。

トルコは「パレスチナ人の虐殺だ」と語気を強め、駐イスラエル大使と駐米大使を召還。南アフリカも駐イスラエル大使を召還した。イスラエルと対イランで連携しているとされるサウジアラビアの政府高官は国営テレビで「パレスチナの権利に反する」と米大使館の移転を批判しつつも、米国のイラン核合意離脱には改めて歓迎する意向を表明した。

不穏な動きも出ている。過激派組織アルカイダの指導者のザワヒリ容疑者は13日、「ジハード(聖戦)で抵抗する必要がある」と、米国へのテロ攻撃を呼びかけた。

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