2019年6月16日(日)

新薬開発や渋滞解消、富士通が超高速の支援サービス

2018/5/15 17:02
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富士通は15日、高速コンピューター技術「デジタルアニーラ」を使ったサービスを始めると発表した。アニーラは量子現象から着想を得た独自技術で、画期的な新薬の開発や渋滞が発生しにくい都市計画などへの応用が期待されている。富士通は今後の成長への切り札と位置付け、用途開拓を進める。同社の今後の成長の「切り札」が本格始動する。

富士通のサービス「デジタルアニーラ」は量子コンピューター並みの解析速度を持つという(15日、東京・千代田)

アニーラは膨大な数の組み合わせの中から最適な選択肢を探す計算を超高速で解く。金融投資のポートフォリオ構築や倉庫部品の最適配置など、広がる用途に期待が寄せられている。

同日に記者会見した吉沢尚子執行役員常務は「最適な組み合わせを探す計算はあらゆる業種のあらゆる業務に存在する。金融、製薬、物流、小売りは引き合いも多く、注力分野だ」と強調した。

アニーラは従来型コンピューターの1万倍以上の計算能力を持つ。金融投資でリスク分散のポートフォリオ構築や、製造・流通業の倉庫の部品や棚の最適な配置を探ることなどに役立つ。

用途は産業分野にとどまらない。現在膨大なシミュレーションが必要ながんの放射線治療の照射パターンの計算や、交通量の分散による渋滞緩和や道路網の計画といった新領域での活用を含めると、可能性はさらに大きく広がる。

量子コンピューター関連技術は米IBMなどのほか、国内でも日立製作所NTTNECなどが熱視線を送る。アニーラは厳密には量子コンピューターではないが、特定領域の高速演算については量子コンピューターに匹敵する性能を実現できる。他の国内勢に先んじての商用化開始で、需要の取り込みを急ぐ。

今後は日本での提供開始後、2018年度中には北米、欧州、アジアで順次展開。専門技術者の増員やカナダでの拠点新設も行い、22年度までに1000億円の売り上げをめざす。AI(人工知能)技術、現在開発中のスーパーコンピューター「京」の後継機と並ぶ富士通の成長けん引役として、アニーラが果たすべき役割は大きい。

(増田有莉)

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