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業績ニュース

エーザイ、「メルク効果」で最高益 今期最終益11%増

2018/5/15 19:30
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 エーザイの利益成長に弾みがついている。15日に2019年3月期の連結純利益(国際会計基準)が575億円と前期比11%増える見通しを発表した。14年3月期の国際会計基準への移行後の最高を更新する。市場が注目するのは、米製薬大手メルクとの提携効果だ。提携で得られる資金を活用し、成長分野と位置づける認知症新薬の開発を加速できるかどうかが今後の焦点になる。

 「(メルクとの)提携のおかげで研究開発投資を積み増しながら利益を伸ばす基盤ができた」。15日の決算会見で内藤晴夫・最高経営責任者(CEO)はこう述べた。

 エーザイは3月に主力の抗がん剤「レンビマ」の共同開発・販売でメルクと提携した。レンビマの適応拡大を進めると共に、メルクの販売網を使って世界各市場で販売を拡大。さらにメルクが持つ最新のがん免疫薬「キイトルーダ」との併用療法も開発する内容だ。

 メルクは21年3月期までに研究開発費や権利行使費用、開発・販売の進捗などに応じ最大6100億円をエーザイに支払う契約だ。レンビマはがん細胞が増殖するための新たな血管の組成を阻害する効果がある。競合に比べがんの縮小効果が大きいとされ「メガファーマがあれほど高い評価額をつけただけの理由がある」(国内製薬幹部)。

 売上収益は今期5%増の6320億円を計画する。このうちレンビマの製品売上高予想は585億円とメルクと定めた第1段階の目標を達成できる見通し。エーザイは今期の受取金額を明らかにしていないが、権利行使費用などと合わせ600億円強を得るもよう。売上収益に計上され、営業利益を同額押し上げる。

 エーザイはこの資金を認知症領域の新薬開発に重点投資していく方針。かつて収益を支えた「アリセプト」など既存薬は症状の進行を和らげる効果にとどまるが、米バイオ医薬大手バイオジェンと開発中の候補薬は症状そのものの改善をめざす。「これまで利益を犠牲にしてきた研究開発の柔軟度が一気に増した」(モルガン・スタンレーMUFG証券の村岡真一郎氏)と新薬開発の加速を期待する声も多い。

 株価は提携発表前から3割超上昇して年初来高値圏で推移。予想PER(株価収益率)は約38倍と武田薬品工業(約27倍)やアステラス製薬(約15倍)を超え、市場の成長期待の高さを示す。

 15日出そろった3月期の大手4社の今期業績予想はエーザイと主力の前立腺がん治療薬がけん引するアステラスが最終増益。一方、武田は前期の資産売却益がなくなる反動で大幅な減益予想だ。国内比率が高い第一三共は薬価引き下げが響く。

 世界の新薬開発は成熟段階に入り、年間売上高1千億円以上の「ブロックバスター(大型新薬)」が年々生み出しにくくなっている。有力なパイプライン(新薬候補)を得ようと巨額のM&A(合併・買収)が相次ぎ、武田もアイルランド製薬大手シャイアーの買収を決めた。メルク効果で他社より一歩先んじたエーザイも安穏とはしていられない。(阿部真也)

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