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苦い経験糧に バドミントン桃田が目指す「進化」
編集委員 北川和徳

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2018/5/16 6:30
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 愚かな行為によって遠回りはしたが、迷走することなく再び世界の頂点を目指す道に戻ってきてくれた。「きつい場面や心が折れそうなときも、自分の意志を持って踏ん張れるようになった」。バドミントンの桃田賢斗(23、NTT東日本)は自身の精神面の成長もしっかり感じている。

 2年前に彼の違法賭博への関与が発覚したとき、別の意味でも驚いたのを覚えている。「こんな自堕落な生活をして、よくここまで強くなれたものだ」と。

アジア選手権男子シングルスで優勝した桃田=ゲッティ共同

アジア選手権男子シングルスで優勝した桃田=ゲッティ共同

 バドミントンは、素人が考える以上にハードなスポーツだ。ダッシュとストップを繰り返してシャトルを拾い、ジャンプしてスマッシュを打つ。長くて激しいラリーが続く。一方で、わずかなミスが失点につながる。飲み歩いて闇カジノに出入りする日々を送りながら、世界ランク2位にまでなったのが信じられなかった。とんでもない才能の持ち主なのだろう。

 その天才が苦い経験によって自らの甘さを恥じ、競技と真摯に向き合うようになったのが今の姿だと考えている。出場停止処分から復帰が許されるまでの1年余り、黙々とシャトルを打ち、嫌いだったランニングや筋トレなど体を強化するトレーニングに取り組んだという。

天才的なタッチにスピードとスタミナも融合

 もちろん、反省の弁をいくら並べられても心中まではわからない。ただ、彼の試合でのパフォーマンスは明らかに変わった。動きはさらに速く、鋭くなり、フットワークは長いラリーでも衰えない。大会で試合が続いても疲れを感じさせなくなった。

 以前より強くなれる手応えを口にしながら、体の強化による微妙な感覚のズレに戸惑っている様子もあった。そして4月のアジア選手権(中国・武漢)。持ち前のネット際での天才的なタッチや意表を突くプレーに、スピードとスタミナという新しい武器が融合した姿を披露して日本選手として初の優勝を飾った。

 2016年リオデジャネイロ五輪金の諶龍(29、中国)や五輪3大会連続銀の伝説的プレーヤー、リー・チョンウェイ(35、マレーシア)ら世界ランク上位を次々と撃破した。以前は勝っていない相手だ。

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