神奈川への本社移転2割増、17年 都内から8割

2018/5/15 0:00
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帝国データバンク横浜支店がまとめた本社移転に関する調査によると、2017年に神奈川県内に本社機能を移した企業は265社と、16年と比べ2割増えた。転入企業の8割が東京都内からで、都内の不動産価格の上昇や首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の延伸など道路網の整備から改めて神奈川県内への評価が高まっているという。

横浜アイマークプレイス(横浜市)の5階と6階にケンタッキーフライドチキン本社が入る

17年に県内に本社移転した企業は、東京都渋谷区から移った日本KFCホールディングスや、同品川区から移転した運送会社のタカセ運輸集配システムなど。東京都内からの転入が212社と8割を占める。都内から転入した企業は全国で最も多かった。千葉県、埼玉県からの転入がそれぞれ11社だった。

転入の利点として日本KFCは「全国から社員が集まることを想定すると、羽田空港に近く、新幹線の新横浜駅も利用できる」と交通の利便性を挙げた。

東京に比べて賃料が抑えられることも転入が増えている背景にある。特にここに来て都内の不動産価格やオフィス賃料が上昇しており、移転を希望する企業が増えているという。首都圏の埼玉県や千葉県と比べても、人口が900万人を超え、今後も消費に期待ができるほか、「『横浜ブランド』を意識する中小企業の経営者は多い」(帝国データバンク)。

県外に本社機能を移したのは191社と16年に比べ6%増。日立オートパーツ&サービスが東京都江東区に、ロジスネクストユニキャリアは大阪府に移った。移転先も東京都が151社と8割に近く、千葉県の7社、埼玉の6社が続いた。転入企業数から転出企業数を引いた転入超過数は74社で3年連続で増えた。

神奈川県内への本社機能の移転数は05年と09年に300社を超えている。05年は、前年に横浜市が転入企業の税軽減や補助金など企業誘致策を手厚くしたことが奏功したといわれる。09年はリーマン・ショックの影響で、賃料を抑えたいという企業の都内からの移転が相次いだ。

05~17年の13年間に県内へ本社を移した企業は3483社。転出は2557社で926社の転入超過だ。今後も京浜急行電鉄が19年に都内から横浜市に本社を移す予定。帝国データは「少なくとも数年は転入超過の状況が続く」とみている。

県労働力調査によると17年の県内就業者数は485万人。15年には465万だったが、2年間で20万人増えた。総務省によると、16年の神奈川県民の睡眠時間は7時間33分と全国で3番目に短く、通勤・通学時間は1時間45分と最も長い。睡眠時間を削り長距離通勤を余儀なくされており、職住近接の実現は神奈川の課題の1つだ。

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