2018年12月15日(土)

日産、米国で自動車販売の採算改善へ

2018/5/14 18:31
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日産自動車は米国で、自動車販売の採算改善を進める。レンタカー会社向けなど低採算の販売を絞り込み、個人向けなど収益性の高い販売先に力を注ぐ。西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は14日、2019年3月期の純利益が減少する見通しを明らかにしたうえで「それでも米国市場の収益性を立て直す」と決意を述べた。

決算発表する日産自動車の西川広人社長(14日、横浜市)

昨年、17年ぶりに社長職をカルロス・ゴーン氏から引き継いだ西川氏にとって19年3月期は巻き返しに向けた勝負の一年となる。前期は米国で販売がつまずき始めたうえ、国内では完成車の無資格検査問題が発覚した。「二重苦」からの立ち直りで手腕が問われる。

日産が同日に発表した19年3月期の連結純利益見通しは前期比33%減の5000億円。「今期は減益になるが、甘んじて結果(への批判)は受け入れながら、米国市場の収益性を立て直す」(西川社長)。売上高は微増の12兆円、営業利益は6%減の5400億円を見込んでいる。

日産の18年3月期の米国販売は約159万台と前の期に比べてわずかに増えたが、4月は3割近く減った。最近は落ち込みが顕著になっている。

同社はリーマン・ショック後の米国市場の回復を追い風に、値引き原資の販売奨励金などを手厚くしてシェアを伸ばす戦略をとってきた。しかし前期からは方針を見直し、旧型車種を中心に在庫調整を始めている。

日産にとって米国は全販売台数の3割を占める最重要市場だ。ここでの浮沈が全社の業績をも左右する。昨秋から米国やメキシコの主力工場での生産も絞っており、在庫調整が想定よりも長引くようだと日産の屋台骨を痛めかねない。

国内でのブランドイメージの回復も課題だ。昨年9月の無資格検査問題の発覚後、同10月の販売台数が前年同月比で4割減るなど、国内販売は春先までこの問題が尾を引いた。

日産の国内シェアは一般乗用車(登録車)だけではトヨタ自動車に次ぐ2位。だが、軽自動車を含めた国内シェアはホンダスズキに抜かれて5位になる。

エンジンで発電してモーターだけで駆動する独自技術「eパワー」を搭載したハイブリッド車(HV)などの売れ行きは足元では好調だ。HVや電気自動車(EV)などの電動車を全面に出す戦略も固まっているだけに、傷ついたブランドイメージをいち早く修復できるかがカギになる。

日産は仏ルノーとの資本関係の見直しを検討している。西川社長は「(ルノーと三菱自動車との)連合は各社の自立を尊重しながら一体化していくことがポイントだ」と述べて経営統合などには慎重姿勢を示した。

西川社長は昨年4月、会長に専念したゴーン氏から社長職を引き継いだ。強いリーダーシップで全社を引っ張ったゴーン氏の後をどう舵(かじ)取りするか注目されている。前期は営業利益予想を2度下方修正し、株主らの期待を裏切る結果に終わった。国内外の販売の立て直しに、ルノーとの資本関係の再編。課題が山積する今期は勝負の2年目になる。

(伊藤正泰)

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