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業績ニュース

武田、成長頭打ち 今期最終4期ぶり減益
シャイアー買収、米国売上高は5割前後へ

2018/5/14 20:30
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 武田薬品工業の業績が悪化する。14日に2019年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比26%減の1390億円になる見込みと発表した。減益は4期ぶり。総額7兆円弱でアイルランド製薬大手シャイアーの買収を決めた武田。単独での成長の限界が露呈するなか、巨額買収で最大市場の米国で販売を伸ばし、欧米大手との格差を埋める戦略に賭ける。

記者会見に臨むクリストフ・ウェバー社長(14日)

 「(今期見通しは)予想より悪い。買収額が妥当かは別として、シャイアー買収の必要性だけは明確になった」。この日の決算発表を受け、ある外資系証券アナリストは皮肉交じりにこぼした。

 今期減益の主因は、18年3月期の資産売却益がなくなる反動だ。前期は試薬子会社の和光純薬工業を富士フイルムホールディングスに譲渡し、約1000億円の売却益を計上していた。

 海外製薬大手と比較すると武田の苦境は鮮明だ。主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」などが海外で好調とはいえ、今期の営業利益予想は17%減の2010億円。本業の稼ぐ力を示す売上高営業利益率は12%にとどまる。製薬最大手のスイス・ロシュ(24%、17年12月期実績)や米ファイザー(23%、同)と比べ、競争力の差は歴然としている。

 この格差への危機感が武田を巨額買収に駆り立てた。シャイアーの17年12月期実績と単純合計すると、営業利益は年間で4700億円規模に達し、営業利益率は14%程度に上昇する。さらに買収3年後に少なくとも年14億ドル(約1500億円)のコスト削減も見込む。

 買収手続きは19年中に完了する見込み。シャイアーの業績が通期で武田の連結決算に反映されるのは、20年3月期になるとみられる。クリストフ・ウェバー社長は14日の決算発表後の会見で「(買収で)利益率の改善につなげる」と語り、海外大手に追いつこうとする決意をにじませた。

 カギを握るのは米国事業の行方だ。18年3月期の海外売上高は約7割に達するが、市場規模の大きい米国の比率は全体の3割強にとどまる。これが米国依存の高いシャイアーが加われば、米国比率は5割前後まで高まる計算だ。シャイアーが強みを持つのは好採算の希少疾患治療薬。「革新的な医薬品に注力する」(ウェバー社長)という武田の戦略に合致する。

 だがシャイアーが今後も高い利益水準を保てる保証はない。主力の血友病分野では、中外製薬が開発しロシュが世界に拡販する新薬が登場。シャイアーの成長鈍化を懸念する声もある。

 武田はシャイアー買収により、単純計算で3兆円規模の「のれん」を背負う可能性がある。武田が採用する国際会計基準では、シャイアーが期待通りの収益を上げられなければ巨額の減損が発生するリスクがある。社運を賭けたシャイアー買収は、武田にとって「もろ刃の剣」でもある。

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