2018年10月21日(日)

冬季五輪、本音は30年招致 札幌市がJOCと協議

2018/5/14 16:00
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2026年冬季五輪・パラリンピックの招致を目指す札幌市の秋元克広市長は14日、東京都渋谷区の日本オリンピック委員会(JOC)を訪問し竹田恒和会長と会談した。現在の焦点は、アジアでの五輪が続くために招致が難しい26年大会をあきらめ、30年に照準を合わせるか否か。秋元市長は現段階での「30年シフト」を否定したが、今後は変更も視野にJOCと協議を続ける。

JOCの竹田会長と意見交換後、取材に応じた秋元札幌市長(左)

「26年(大会の招致)を断念して30年にシフトしたということを直接お話ししたわけではない」。秋元市長は竹田会長との会談後、取材でこう話した。

会談は非公式で午前9時から始まり、予定の30~40分を大幅に上回る約1時間30分に及んだ。札幌市からは地元情勢を詳しく説明。街づくり計画において、30年度に予定される北海道新幹線の札幌延伸や、中心街と札樽自動車道を結ぶ都心アクセス道路の整備計画などを伝えた。

秋元市長は取材に対し30年シフトを否定したものの「26年には(新幹線の延伸など)そういうものはできていない。30年ではある程度実現する」と照準変更をにおわせるような発言もした。

札幌市が30年シフトを視野に入れる背景には、地元経済界の意向がある。札幌商工会議所は3月、会員企業を対象にアンケート調査を実施。招致する大会について「30年以降を目指すべき」とした回答が半数を超えた。その理由として「新幹線札幌開業や、都心アクセス道路整備、再開発など都市のリニューアルのお披露目の場となるべき」との回答が約46%に上った。

竹田会長は「都市計画の中に(五輪が)入ってくるというのが一番の理想だ。街が整備され、新幹線ができるということは大会を成功させる上でも非常に重要なことだと思う」と札幌市側の思惑に一定の理解を示した。

ただ、JOCには26年招致から撤退すべきではないとの意見も根強く残る。欧州の都市は住民投票の結果次第で撤退もあり得る。24年夏季大会のパリと28年ロサンゼルスのように、冬季大会の開催都市も2大会が同時決定する可能性もある。秋元市長は「(26年を断念するという前提で)やり取りはしていない。JOCや国際オリンピック委員会(IOC)との信頼関係も含めて、きちんと調整したい」と話す。

正式な立候補表明となる第2段階「立候補ステージ」に進むかどうかの期限は10月に迫っている。札幌市は正式立候補を前に、市民アンケートによる合意や閣議の了解を得る考えだ。その準備や調整期間を考慮すると、決断までに残された時間は少ない。

JOCとは引き続き協議を続け、意見交換で得た情報を周辺自治体と共有した上で決断を急ぐ。市幹部は「早ければ5月中には(26年に立候補するか否かが)決まる」と話している。(鷹巣有希)

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