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ヤクルト再生担う 石井琢コーチの情熱と「広島式」
編集委員 篠山正幸

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2018/5/15 6:30
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 既視感に襲われたのは今年2月、ヤクルトの浦添(沖縄県)キャンプを取材したときだった。同時進行で何人も打ち込める打撃練習の工夫が施され、手持ち無沙汰にしている選手がいない。この風景、どこかで見たぞ……。

写真上はヤクルトの2月のキャンプ風景。同下は昨年2月の広島のキャンプでの打撃練習。ともに工夫が施され、手持ち無沙汰にしている選手がいない

写真上はヤクルトの2月のキャンプ風景。同下は昨年2月の広島のキャンプでの打撃練習。ともに工夫が施され、手持ち無沙汰にしている選手がいない

 ヤクルトの練習を見ると、打撃ケージで打撃投手やマシンの球を打ちこむほか、バックネット側に向かって4人ほどがローテーションでトス打撃に取り組んでいた。

 この風景、広島の打撃練習とそっくり。今季広島からヤクルトに“移籍”した石井琢朗打撃コーチ(47)が、強力打線をはぐくんだ手法をそのまま持ち込んだらしい。

 広島の打撃練習ではバント練習を含め、最大11人がダイヤモンドの狭い土地を分け合って取り組んでいた。危険な硬球を扱う打撃練習は防護ネットなどの設置の仕方を工夫しないと、ここまで密に詰め込むことはできない。

グラウンドを最大限有効活用

 狭い土地を有効活用するあたり、何となく日本の工業団地を想起させるものがあり、さしずめ「3割バッター養成工場」といったところ。その風景がヤクルトでもそっくり再現されていた。

 グラウンド一面だけを使った練習では「手待ち時間」のできる選手が多く、非効率になりがち。「広島式」は狭いグラウンドを最大限有効に活用し「空間の壁」を取り払った。広島の選手たちの時間当たりのバットスイングは打撃ケージでの練習のみの場合と比べ、相当の増量になっているはずだ。

ヤクルト打線の底上げに取り組む石井琢コーチ(背番号81)

ヤクルト打線の底上げに取り組む石井琢コーチ(背番号81)

 ちなみに、広大な敷地に何面もグラウンドを用意しているメジャーではこうした詰め込み練習は行われていない。

 以前、米フロリダの大学チームを訪れ、かつて日米大学野球で指揮を執り、来日した経験がある監督に話を聞いたことがある。

 彼が日本で驚いたのは打撃練習で打撃のケージを2つ並べ、2人同時に打ち込む練習法だったそうだ。打撃投手を、隣のケージから打ち込まれる打球から守るネットを立てる必要があるが、逆にそうした安全策さえ施せば、打撃練習の密度を簡単に高められる。日本では当たり前の風景だが、米国の指導者には「目からうろこ」だったようだ。こうした「日本式」を突き詰めたのが「広島式」だといえる。

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