2018年9月19日(水)

富士フイルムとの統合合意解消 ゼロックス二転三転

2018/5/14 11:16 (2018/5/14 13:05更新)
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 【ニューヨーク=中山修志】米事務機器大手のゼロックスは13日、富士フイルムホールディングスによる買収合意を解消すると発表した。買収に反対する大株主のカール・アイカーン氏らと改めて和解し、同氏らが推薦する取締役を受け入れる。ゼロックス経営陣は方針が二転三転し、買収計画は混迷を深めている。富士フイルムは14日、ゼロックスに対し、法的手段も辞さない構えを示した。

 ゼロックスは契約解消の理由について「4月15日までに合弁会社である富士ゼロックスの財務諸表が提出されなかったため」と説明した。また「この数週間、富士フイルムに繰り返し条件の見直しを求めたが、富士フイルムから何ら保証が得られなかった。この状況では合意内容をうまく進めることができない」としている。

 ゼロックスの発表資料によると、同社の取締役10人のうち、ジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)を含む6人の取締役が退任。6月以降に開く株主総会でアイカーン氏らが推薦する5人の取締役が就任し、同氏のアドバイザーを務めるジョン・ビセンティン氏がCEOに就任する予定という。ゼロックスの取締役会はアイカーン氏側のメンバーが過半数を占めることになる。

 ゼロックスは5月1日にアイカーン氏らと和解に合意したと発表。ジェイコブソンCEOらが辞任し、アイカーン氏が推薦する複数の取締役を受け入れると発表した。だが同社は2日後に「和解合意が失効した」と発表。富士フイルムによる買収手続きの差し止めを命じた米裁判所の判決を不当として上訴した。

 和解合意の撤回後、アイカーン氏らとゼロックスの取締役会は株主に宛てた書簡で互いを強く批判。ゼロックスは富士フイルム側に同調したようにみられたが、再び翻意した。アイカーン氏らは株主への書簡で「ジェイコブソンCEOが辞任の見返りに多額の退職金を要求した」と明かしており、同氏を含むゼロックスの取締役が有利な条件と引き換えに辞任した可能性もある。

 富士フイルムは14日、「ゼロックスに本案件を一方的に契約終了する権利はなく、そのような決断に至ったことには抗議する。今後訴訟や損害賠償請求も含めた適切な手段をとっていく」とのコメントを発表した。

 物言う株主のアイカーン氏らがゼロックスの取締役会に強い影響力を持てば、富士フイルムは買収の白紙撤回を余儀なくされる可能性もある。買収計画は混迷を深める一方で、国際的な大型買収の難しさが改めて浮き彫りになっている。

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