2018年5月23日(水)

薬剤師の業務軽く 医療系カケハシ、9億円を調達

スタートアップ
ヘルスケア
2018/5/14 9:59
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 医療系スタートアップのカケハシ(東京・新宿)は総額9億円の資金調達を実施した。薬局で接客時に事務処理が同時にできるシステムをクラウドで提供。薬剤師の業務を大幅に軽減できるとして、全国約100店舗で導入している。資金はシステムの機能拡充などに充てて導入店舗を増やす。薬局数はコンビニ店舗数を上回る日本。担い手確保のため、薬剤師の働き方改革は社会課題となっている。

店頭の画面で服薬指導しながら、患者の薬歴記入ができる

 ベンチャーキャピタル(VC)の500スタートアップスジャパンやグロービス・キャピタル・パートナーズ、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、セールスフォースベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル、ドレイパー・ネクサス・ベンチャー・パートナーズ、グリーベンチャーズから調達した。

 カケハシは2016年3月設立。クラウド型の電子薬歴システム「Musubi」を開発して、17年8月に販売した。薬剤師は店頭で、患者と一緒に画面を見ながら服薬指導ができる。特長が指導時の画面操作で、患者の薬歴をシステムで自動記入できることだ。

 薬剤師は店頭業務が終わると、対応した患者の薬歴情報をパソコンで手入力するのが一般的だ。こうした作業には1日2~3時間かかる場合もある。カケハシのシステムなら服薬指導時にほぼ終わらせることができる。

 中尾豊最高経営責任者(CEO)は「薬局400~500店舗を実際にまわって薬剤師が困っていることを聞いて、システムに反映させた」と語る。

 日本には約6万の薬局があるが、現在7000店舗超から問い合わせがあるという。資金調達により営業体制の強化も図る。

 必要な機能をインターネットで利用するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を医療機関で導入する動きが欧米では急速に広がっている。日本は高齢化の世界先進国にもかかわらず、医療機関のIT化は遅れている。スタートアップがその流れを変える可能性を秘めている。(榊原健)

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