2018年9月26日(水)

北朝鮮、坑道爆破で非核化強調 日本除外し報道公開

2018/5/13 18:30
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 【ソウル=山田健一】北朝鮮が核実験場と周辺の「完全閉鎖」を表明した。4月の南北首脳会談で金正恩(キム・ジョンウン)委員長が指摘した「2つの未使用の坑道」の爆破を日本以外の外国メディアに公開し、非核化への意思をアピールする。ただ北朝鮮は過去にも核関連施設を爆破した後に核開発を続けた経緯があり、見せかけだけに終わる懸念もある。

 北朝鮮外務省は23~25日の間に北東部の豊渓里(プンゲリ)核実験場で「全ての坑道を爆破する方法で崩落させ、入り口を完全に閉鎖する」と発表した。地上にある全ての観測設備と研究所も撤去し、要員も撤収させる。事実なら、豊渓里での核実験は今後実行不能になる。

 韓国大統領府の金宜謙(キム・ウィギョム)報道官は13日、北朝鮮側の発表を「坑道を爆破するダイナマイトの音が核なき朝鮮半島への道のりの最初の祝砲になることを願う」と歓迎した。

 金正恩氏は韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領との首脳会談で「既存の施設よりさらに大きな2つの坑道があり、これは健在だ」と述べ、核実験場の廃棄に自ら言及した。過去6回の核実験のダメージで坑道が崩壊しかけて既に使用不能との見方があるが、金正恩氏は「来てみれば分かる」として、豊渓里の閉鎖は北朝鮮にとって大きな譲歩だとほのめかした。

 もっとも北朝鮮は2008年、平壌の北方にある寧辺の原子炉の冷却塔を爆破したが、09年にミサイル発射実験と核実験を再開し、6カ国協議の合意は崩壊した。心臓部の原子炉も手つかずに終わり、13年には原子炉の再稼働を宣言した。こうした経緯から今回も見せかけだけに終わるのではないかとの懸念がある。

 専門家の中には北朝鮮は過去の核実験で必要なデータを入手し、実験なしでも核開発を続けられるとの分析がある。核弾頭製造と関連するウラン濃縮施設も複数あるとされるが、詳細な場所は不明だ。日米が目指す「完全で検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID)」を実現するのは核関連施設の場所をすべて明らかにし、実効性のある査察を繰り返すことが欠かせない。

 一方、北朝鮮は核実験場閉鎖の取材を認める外国メディアについて、現場の狭さを理由に米国や韓国など5カ国に限定した。日本が外れたことに対し、韓国大統領府関係者は13日、日朝間で「公式的な対話がまだ実現していない点と関係があるのでは」と話した。北朝鮮の朝鮮中央通信は最近、対北朝鮮圧力の継続を主張する日本を批判する姿勢を強めている。

 経済発展に集中する新路線を打ち出した北朝鮮は、日本人拉致問題解決の見返りに経済援助を求めるとみられる。日韓外交筋は朝鮮中央通信の批判が「日本との対話に関心を寄せていることの裏返しだ」と述べ、経済支援を引き出す駆け引きの一環との見方を示す。

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