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王子HD、海外収益をエンジンに目指す最高益

王子HDは東南アジアで段ボール工場を相次ぎ増設している(マレーシア)

製紙国内最大手の王子ホールディングスは11日、2019年3月期の営業利益が1千億円で過去最高を更新する見通しだと発表した。電子媒体の普及で日本国内の印刷・新聞用紙の需要が落ち込むなか、段ボールや原料パルプなど海外で相次いだ買収攻勢が実を結んだ。営業利益のうち6割強を海外で稼ぐ体制で、隠れたグローバル企業に変貌しつつある。

「海外での事業ノウハウが着実に積み上がっている」。王子HDの武田芳明専務は11日、都内での記者会見後、笑顔を見せた。

19年3月期の営業利益見通しは1000億円で、前期(708億円)を41%上回る。そのうち海外事業は618億円と、6割強に達する。

東南アジアでは経済発展で段ボールの需要が急増しており、王子はマレーシアやベトナムなどで生産能力を相次ぎ拡張してきた。ブラジルや中国は紙の原料となるパルプをつくっており、パルプの国際市況が高水準で推移している外部環境も追い風だ。

王子が直近で営業利益の最高益を出したのは、05年3月期の846億円。「当時は日本国内で印刷や新聞用紙の需要が現在より多かった」(武田専務)こともあり、売上高のうち海外が占める割合は8%程度にとどまっていた。

だが経営幹部は当時から「長期的に国内の紙需要は確実に落ちていく」と予想していた。10年にマレーシアの段ボール大手、GSペーパー・アンド・パッケージング(GSPP)を買収して以降、海外強化へカジを切った。06年に北越製紙(現・北越コーポレーション)に敵対的TOB(株式公開買い付け)を仕掛け、業界の反発をくらって失敗したことも、海外シフトへの後押しとなったという。

業界統計によると、印刷や新聞用紙が落ち込み、日本の紙需要(板紙含む)は18年に8年連続で減少する見通し。日本製紙大王製紙などライバル製紙会社は王子に比べて海外展開が遅れぎみなこともあり、営業利益は100億~200億円台にとどまる。

「これからも海外強化をどんどん進める」と王子HD幹部。製紙業界ではグローバル化に成功した王子の独走が鮮明になりつつある。

(渡辺伸)

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