2019年6月17日(月)

スタートアップ投資、日本でもブーム

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2018/5/12 6:30
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コーポレートベンチャーキャピタル(CVC)と呼ばれる、大企業によるベンチャー企業への投資活動が活発だ。CVC運用を手がけるベンチャーキャピタル(VC)のドレイパーネクサスベンチャーズのマネージング・ディレクター、中垣徹二郎氏に現状や課題を聞いた。

日本勢では、ソフトバンクグループのビジョンファンドが有名だ

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CVCとは、事業会社がスタートアップ企業と関係を深めることを目的とした投資活動全般を指す。投資そのものをしていれば、(子会社などの)箱物をつくらなくてもCVCといえる。子会社をつくる、本体の予算で投資する、ファンドに(有限責任を負う)リミテッド・パートナー(LP)として出資する、CVC活動自体をアウトソースする、といった手法がある。CVCの展開は米国で先行し、日本を含むアジアでも活発になっている。

――米国でのCVCの状況を教えてください。

「前提として、米国ではコーポレート・デベロップメントという言葉がよく使われる。CVCとM&A(合併・買収)、そして買収後の統合作業(PMI)の3つが連携している」

「日本は研究開発や経営企画部門がCVCをみるケースが目立つが、米国は最高経営責任者(CEO)ら上層部の直轄が多い。CVCやM&Aでスタートアップのディスラプティブ(破壊的)な事業を取り込むと、既存部門とのコンフリクト(衝突)が起こりうる。トップが直接みて経営の課題と位置づけている」

■始まりは1960年代中ごろ

――どのような歴史的な経緯があるのですか。

「1960年代中ごろに電機大手が取り組み始めた。証券不況による縮小、医薬品大手の参入を経て、90年代のVC市場の盛り上がりとともに、IT(情報技術)企業を中心に多くが参入した。ネットバブル崩壊で縮小したが、その後の金融危機での独立系VCマネーの縮小、M&Aやオープンイノベーションへの事業会社の本格的な取り組みの中で現状に至る」

「新しいイノベーションを生み出すのは、景気の良しあしと関係ない。デジタル化の流れはあらゆる業種に及び、大企業は資金需要が旺盛なスタートアップの技術や知的財産権を利用しようと動いている。米国は『フォーチュン100』の企業の48%がCVCを持っている」

――好例はありますか。

「グーグル系CVCのグーグル・ベンチャーズ(現GV)はとてもアグレッシブだ。(創業段階の)シードから投資して、(投資回収の)エグジットまで幅広くみる。将来を見据えて新事業に投資している。ゼネラル・エレクトリック(GE)は製造業やヘルスケア関連が対象だ。ウォルマートは豊富なフリーキャッシュフロー(純現金収支)を生かして技術系のスタートアップに出資している。対照的にアマゾン・ドット・コムはリアルに接近するためファンドをつくった」

――米国以外での状況はどうですか。

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