2018年5月24日(木)

東海大 インスリンの新たな合成法 混ぜるだけで簡単に

ヘルスケア
科学&新技術
2018/5/11 10:22
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 東海大学の岩岡道夫教授と荒井堅太講師らは東北大学などと共同で、糖尿病の治療薬であるインスリンの新たな合成法を開発した。2種類のペプチドを混ぜるだけで作る。従来法のように複雑な操作を使わなくても収率が高い。協力する企業を探して、4~5年後の実用化を目指す。

 インスリンは2種類のペプチドからでき、アミノ酸同士の結合が3カ所ある。ペプチドを混ぜるだけでは違うアミノ酸同士でつながるため、インスリンの収率は5%ほどだった。

 研究グループは、2つのペプチドを混ぜるだけで正しいアミノ酸同士がつながる条件を検討した。その結果、水素イオン濃度(pH)が塩基状態でセ氏零下10度の時に、最も効率良くインスリンができた。反応を進めるたんぱく質を入れて80時間おくと、収率が50%ほどに上がった。

 従来の化学合成法で高い収率にするには、違うアミノ酸同士が結合しないようアミノ酸を保護しながら1カ所ずつつなぐ。完成までに複雑な操作が必要で、大量生産できなかった。通常のインスリンの生産は遺伝子を組み込んだ微生物を使う。大型の特殊な装置が必要で管理が難しい。

 今後は、大型の装置でも同じようにインスリンができるかを検討する。また、部品となるペプチドの形は自由に変えることができ、より安定で効果の高いインスリンの生産が簡単にできる可能性がある。

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