JR九州が最高益 前期最終、鉄道の採算性なお課題 - 日本経済新聞
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JR九州が最高益 前期最終、鉄道の採算性なお課題

JR九州が10日発表した2018年3月期の連結決算は、純利益が前の期比13%増の504億円と過去最高だった。運輸サービスや不動産などほぼ全ての部門で営業増益だった。主力の鉄道事業は2期連続の黒字を確保したが、16年3月期に実施した費用圧縮の会計処理の効果が大きい。処理前の基準では20億円の赤字に相当し鉄道事業の採算性はなお課題だ。

売上高は8%増の4133億円だった。訪日客の増加などに伴う新幹線の旅客増や、熊本地震直後の減少の反動で鉄道収入が増えた。キャタピラー九州の連結子会社化も寄与した。

営業損益では運輸サービス事業が14%増の292億円。不動産賃貸収入が増えた駅ビル・不動産業も232億円と2%増えた。営業利益、経常利益ともに5期連続で過去最高を更新した。

ただ主力の鉄道事業の採算性にはなお課題が残る。16年3月期に5268億円分の固定資産を減損処理し、減価償却費を大幅に減らした。だが鉄道は毎年の安全投資が欠かせず、再び減価償却費が膨らむのは避けがたい。20年3月期からは国から受けていた固定資産税の減免措置もなくなり、さらに利益を圧迫する。

青柳俊彦社長は「ローカル線の赤字はむしろ拡大している」と強調した。九州北部豪雨の影響で一部不通となっている日田彦山線では、復旧費用の算出や負担方法に関する自治体との協議が続いている。業績好調を受けJRの負担を求める自治体側の圧力が強まる可能性もあり、慎重な姿勢をみせた。

JR九州は10日、車両整備や駅構内業務などを手掛ける子会社3社を再編すると発表した。7月1日付で、JR九州メンテナンス(福岡市)が車両整備やビル設備管理部門を分割し、ケイ・エス・ケイ(同)が承継。社名は「JR九州エンジニアリング」に変更する。

様々な駅業務を担うJR九州鉄道営業(同)をJR九州メンテナンスが吸収合併し、社名は「JR九州サービスサポート」とする。

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