2019年7月18日(木)

福島銀の次期社長に東邦銀元専務 両行の関係焦点に

2018/5/10 22:15
保存
共有
印刷
その他

福島銀行の森川英治社長が辞任し、後任に同じ福島県の東邦銀行出身で同行子会社、とうほう証券の加藤容啓社長を招く方針が明らかになった。東邦銀行の北村清士頭取は10日、決算発表の記者会見で福島銀の頭取人事を「組織と組織の話ではない」としたうえで、加藤氏について「経営手腕は素晴らしいものがある」と語った。今後は東邦銀と福島銀の関係が焦点になるとみられる。

2018年3月期決算を発表する東邦銀行の北村頭取(10日、福島市)

福島銀行本店ビル(10日、福島市)

福島銀は2018年3月期決算で最終赤字への転落が見込まれる。日銀によるマイナス金利政策の余波に加え、東日本大震災や人口減少の影響があるとみられ、新体制で経営の立て直しを図る。

福島銀行は1922年(大正11年)、無尽株式会社としてスタート。その後、ほかの無尽株式会社を吸収合併するなどして、51年の相互銀行法の施行で福島相互銀行と改称。89年に普通銀行に転換し、福島銀行に商号変更した。

中小零細企業を主な取引先としてきたほか、県内に3行ある地銀同士の顧客獲得競争の波を受けるなどし、これまでにも業績悪化の危機に直面してきた。

2001年には融資先の業績悪化などが響き、自己資本比率が1%台まで低下。自己資本の充実のため金融庁が早期是正措置を発動した。約150億円の第三者割当増資を行ったほか、「預金者の不安解消のため」にと、県が異例の100億円の預金を行い、危機を切り抜けた。

東日本大震災後には、震災や東京電力福島第1原発事故の影響で事業継続を見送る取引先企業などが続出。約50億円の貸倒引当金を積み、その後、再開する取引先が増えるなどし、業績を回復することができた。

こうした中、福島県内では原発事故による東京電力からの賠償金などにより、潤沢な資金を持つ企業などが増え、融資の需要が低下。マーケットの縮小や人口減少の影響を受ける中、さらにマイナス金利政策の余波は色濃く、貸出金利息収入を減らした。

貸出金利息の低迷を有価証券の運用でカバーしようとしたが、難しかった。今年3月には、含み損を抱えていた投資信託5銘柄を解約、売却し、6億4100万円の損失が発生したとし、18年3月期決算に計上する方針を示していた。18年3月期決算の最終赤字は30億~40億円になるとみられる。

県内では昨年9月、東邦銀と福島銀、大東銀の3行が事務の合理化・効率化などを目的とした連携協定を結んでいる。県内の地銀の経営環境が厳しくなるなかで、今後はこうした動きが強まるとみられる。

    ◇

東邦銀行の北村清士頭取が2018年3月期決算を発表した10日の記者会見での一問一答は以下の通り。

――福島銀行の次期社長に名前が挙がっているとうほう証券の加藤容啓社長を交代する予定は。

「(報道で)びっくりしたが、少なくとも組織と組織の話では全くない。個人としてのやりとりはあったのかもわからない。地域の金融機関のトップがいろんな手立てを模索している中での今回の報道だろう。地域経済の安定のためにいろんな人材が活躍するのは望ましいが、具体的なことは承知していない」

――加藤氏の経営手腕をどうみているのか。

「とうほう証券は単年度黒字化に最低5年くらいかかるとの見通しでスタートしたが、2期目で黒字転換して連結決算にも非常に貢献している。経営手腕は素晴らしいものがある。可能であれば、引き続きやっていただきたい」

――他行との経営統合についての考えは。

「今後の環境変化で対応をどうするかということもあるが、現時点では単独での自立路線を経営の根幹に置きたい」

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。