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安邦保険の創業者、懲役18年に 詐欺や職権乱用で

資産没収1800億円

【北京=原田逸策】中国の上海第1中級人民法院(地裁)は10日、安邦保険集団の創業者の呉小暉氏を詐欺や職権乱用の罪で懲役18年とする判決を出した。個人資産105億元(約1800億円)も没収する。呉氏を厳罰に処し、習近平(シー・ジンピン)指導部は金融機関を厳しく監督する方針に変わりがない点を示すねらいとみられる。

安邦保険集団の創業トップだった呉小暉氏(17年3月、北京)=共同

国営新華社が伝えた。判決によると、呉氏は部下に命じて虚偽の財務諸表をもとに高利回りをうたった保険商品で資金をかき集めた。11~17年に計652億元の保険料をだましとったという。さらに集めた保険料のうち100億元を横領した。中国の裁判は二審制で判決に不服なら控訴できる。呉氏が控訴するかどうかは不明だ。

呉氏は2017年6月に当局に拘束され、18年2月に起訴された。105億元という資産没収額は腐敗事件が多い中国でも巨額だ。

呉氏は安邦を04年に創業し、10年あまりで保険を核に銀行や証券も抱える総資産2兆元の金融集団に急成長させた。呉氏は故・鄧小平氏の孫娘と婚姻関係にあったとされ、その関係をちらつかせて保険監督当局の許認可も有利に進んだ。

安邦は14年ごろから「万能険」と呼ばれる投資信託のような保険商品で短期資金をかき集め、海外での巨額買収に投じた。ニューヨークの名門ホテル「ウォルドーフ・アストリア」を買収して世界的に有名になった。

ただ、海外の資産価格が急落すれば、衝撃が国内の金融市場に波及しかねない点を監督当局が問題視。習指導部が16年に金融リスクを抑える方針に転じ、呉氏の転落は時間の問題になっていた。

安邦は18年2月から中国政府の管理下に置かれ、中国人民銀行(中央銀行)など監督当局の官僚が経営にあたっている。3月には保険業界の共同基金が引き受ける形で608億元を増資したが、増資後の資本金は619億元。増資前には資本はわずか11億元だった。保険金の支払いも自転車操業だったとみられる。

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