2019年4月26日(金)

物価「下振れリスク大きい」 日銀総裁が講演

2018/5/10 13:06 (2018/5/10 14:53更新)
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日銀の黒田東彦総裁は10日、東京都内で講演し、物価の見通しについて「どちらかと言えば下振れリスクの方が大きい」と述べた。賃金上昇の速度が緩慢になることや、人々のデフレ心理の根深さをリスクとして挙げ、「総合的に点検し、丁寧に説明していくことがより適切な情報発信になる」と強調した。

黒田総裁は物価上昇率が目標の2%に高まる仕組みについて、2段階に分けて説明した。第1は需要が供給を上回る段階で、企業が賃金や価格設定で積極的なスタンスになることが物価の上昇につながる。

第2段階では現実の物価が上昇し、人々の将来の物価上昇への期待も高まっていくとした。

日銀は消費者物価指数(CPI)の上昇率について、生鮮食品を除くベースで2019年度に1.8%に達するとの見通しを示している。足元の上昇率は1%程度まで高まっている。

ただ黒田総裁は、人々の間ではデフレの経験が深く根付いているとし、「現実の物価上昇が予想物価上昇率に波及するのに、相応の時間がかかる可能性は念頭に置いておく必要がある」とした。企業の間で将来の成長に対する不透明感が強ければ「上昇ペースが予想よりも緩慢になる可能性がある」とも述べた。

4月に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で2%の物価安定目標の達成時期を削除したことは、「計数のみに過度な注目が集まることは適当ではない」と話した。そのうえで「期限を念頭に置いて、政策運営をしているわけではない」と強調した。

講演後の質疑応答で黒田総裁は、足元で進む原油価格の上昇について答えた。「原油の輸入国の日本にとっては交易条件の悪化や、実質購買力の低下につながる」と述べた。そのうえで「(原油価格が)景気拡大を背景に上昇しているのであれば、輸出増加を通じた日本経済へのプラスの影響もある」とも指摘した。

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