2019年3月21日(木)

トヨタ、異業種と生存競争 章男社長「ルール変わった」
研究開発、今期も1兆円超

2018/5/9 23:18
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トヨタ自動車は2018年3月期に過去最高益を更新し、19年3月期も底堅い業績が続く見通しだ。それでも豊田章男社長は9日、「ライバルも競争のルールも変わり、生死をかけた闘い」などと事業環境の厳しさを強調した。今期の研究開発費と設備投資の合計額は2兆4500億円と、11年ぶりに過去最高を更新する。自動運転など新たな領域で、海外IT大手など異業種の巨人との競争に備える意味合いがある。

記者の質問を聞くトヨタ自動車の豊田章男社長(9日午後、東京都文京区)

「テクノロジーカンパニーは我々の数倍のスピード、豊富な資金で新技術に投資を続けている」

東京本社(東京・文京)での決算説明会で、豊田社長の論点は「未知の世界」という競争環境、「お家芸」である原価低減、トヨタ生産方式の徹底など多岐にわたった。成果が出るまで時間のかかる自動運転や電動化、コネクテッドカー(つながる車)への投資が増え、経営方針を正確に理解してもらう必要があるためで、説明会は2時間超と異例の長さになった。

19年3月期の研究開発費は1兆800億円と2年連続で過去最高で、次世代技術には35%を費やす。設備投資額との合計は5年前と比べて3割増やす。3月にはデンソーアイシン精機と自動運転を開発する新会社を設立。元グーグル幹部をトップに据え、数年で3000億円以上を投じる。6月には主力車を刷新し、コネクテッドカーの市販車を公開することも明らかにした。

トヨタの視線の先にあるのは海外IT大手の姿だ。米グーグルは米国で地球200周分の公道テストを終え、年内に世界初の無人輸送サービスを始める計画。中国の百度(バイドゥ)も、独ダイムラーなど世界企業約50社と組んで、自動運転開発「アポロ計画」を進める。

自動運転などの新領域が主戦場となり、研究開発にどれだけの金額を投入できるかが今後の競争力を左右する。企業財務のデータベース、QUICKファクトセットでみると直近1年間のトヨタの研究開発費は約94億ドル。ダイムラーや独BMWを上回り、自動車業界では高い水準にある。

ただ、海外IT大手との比較では安心はできない。米アップルは約127億ドルと自動車業界で研究開発費が最大の独フォルクスワーゲン(VW)に迫り、グーグルは約177億ドルとトヨタの2倍近い規模だ。

研究開発費などの原資となる現金創出力(営業キャッシュフロー)でも差がある。トヨタは365億ドルとVW(約29億ドル)などを突き放し、自動車業界では抜きんでている。しかし、グーグル(約391億ドル)にはとどかず、アップル(約674億ドル)ははるか先を行く。

「トヨタの真骨頂はトヨタ生産方式と原価低減の2つ。未来を生き抜くために徹底的に磨く」

研究開発費や投資の拡大が避けられないだけに、既存車種の開発や生産の方法の見直しには今まで以上に力を入れる。トヨタ生産方式をさらに徹底するため、提携したスズキマツダのノウハウも吸収していく。

4月には子会社の日野自動車がVWの商用車部門と次世代技術などで提携。「まさか乗用車のライバルと合意するとは」(トヨタ系部品首脳)と衝撃が走った。大きな転換期を「100年に一度の大チャンスととらえ、これまでにない発想でチャレンジする」(豊田社長)という。

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