2018年12月12日(水)

新潟県知事選の候補選び急展開 花角氏、近く意思表明

2018/5/10 0:00
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新潟県知事選(6月10日投開票)の候補者選びが急展開してきた。県内の中小企業経営者らでつくる有志は9日、自民、公明両党が擁立を目指す海上保安庁次長の花角英世氏(59)に出馬を要請。国政野党は8日に出馬表明した県議の池田千賀子氏(57)の支援態勢づくりを本格化させる。24日の告示まで2週間となり、関係者の動きは慌ただしさを増している。

県知事選へ出馬を要請する県民有志と海上保安庁の花角次長(左)(9日、東京・台東)

中小経営者や医療関係者らの有志は9日午後、東京・上野の「東京新潟県人会館」で花角氏と面会し、次期知事選への立候補を正式に要請した。

面会は冒頭を除き非公開。終了後、記者団の取材に応じた花角氏は「色々悩んでいる。もう少し時間が欲しい」と話し、要請への回答を保留したことを明らかにした。近く最終的な意思を表明する考えを示した。

記者団との質疑で花角氏からは、県民有志からの要請について「本当にうれしい。顔を見て声を聞いて、(出馬の辞退は)ちょっと難しくなったかもしれない」と、出馬に前向きと取れる発言もあった。一方で「知事の責任は本当に重い。自分にやれるかを詰めたい」として最終的な結論を持ち越した。

花角氏は国土交通省のキャリア官僚で、新潟県副知事を務めるなど国と地方で行政経験がある。4月に米山隆一前知事が辞職したのを受け、自民、公明両党などが擁立へ向けて調整してきた。両党は花角氏の正式な意思表明後、出馬した場合の支援態勢を決める方針で、推薦などの決定にはなお時間がかかりそうだ。

一方、8日には社民党系県議の池田氏が出馬を表明した。自公に先手を打った形だが、今のところ同氏を担ぎ出した菊田真紀子衆院議員(無所属)らが支援者集めに動き出したばかりの段階だ。

池田氏は前回知事選や昨年の衆院選で自民系候補に勝利した野党共闘を再現したい考えだが、現時点で各党は態度を明らかにしていない。また、国政では7日に民進党と希望の党が国民民主党を結成したが、民進党新潟県連の対応は未定。野党再編が新潟県知事選に与える影響は未知数だ。

池田氏も自民、公明両党も、幅広い支持を集めるため「県民党」として知事選に臨む方針だ。とはいえ、選挙戦を支えるのは県内各党や支持団体。各党がどの候補を推し、どこまで支援するのかは、知事選の行方を大きく左右しそうだ。

知事選には元五泉市議の安中聡氏と、さいたま市の山口節生氏も出馬を表明している。

    ◇

池田氏の出馬表明や有志による花角氏への出馬要請で、新潟県知事選は国政の与野党が対決する構図になりつつある。ただ、両氏の発言からは知事選の重要争点となる原発問題について姿勢の違いは見えにくい。

池田氏は米山前知事が掲げた福島原発事故の原因など「3つの検証」を引き継ぐ方針で再稼働に慎重な立場を訴える。また「将来的には原発を減らしていくべきだ」とも主張する。

一方の花角氏も、9日の記者団との質疑で「(県の)検証委員会が立ちあがっているのだからしっかり検証して、その結果を県民がどう評価するかを問うことが大事だ」と検証作業の重要性に理解を示した。また「(原発は)将来的に無くすべきだ。無い方が良いに決まっている」とも話すなど、原発への姿勢は池田氏と共通している。

両氏が原発再稼働に慎重な姿勢を示す背景には県民の間で原発事故への不安に加え、新潟県が首都圏への電力供給ために原発リスクを背負うことに対する不満があるためだ。前回の知事選では、自民党と公明党が推薦する候補も「原発再稼働に際しては安全性を厳しく検証する」と訴えた。誰が候補者となっても、原発政策で大きな違いを打ち出しにくいのが現状だ。

原発問題は大きな関心事だが、人口減や産業振興、福祉など県政の課題は幅広い。立候補者はこれらの課題について、明確な政策を示すことが求められる。

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