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大飯原発4号機が再稼働 経済恩恵も課題残す

中間貯蔵施設 難航続く

関西電力の大飯原子力発電所4号機(福井県おおい町)が9日、4年8カ月ぶりに再稼働した。福井県で原子力規制庁の新規制基準下で再稼働した原発は、大飯3号機と高浜3、4号機(同県高浜町)を合わせ4基態勢となり、福井県嶺南地域の経済サイクルが再び動き出した。だが、使用済み核燃料の搬出先の確保や大飯1、2号機の廃炉など課題は残されたまま。おおい町の中塚寛町長は「町経済にとってはターニングポイントが訪れている」として、地元経済活性化に向け原発に代わる振興策を急ぐ。

9日午後5時、関電の運転員が制御棒の操作レバーを押し込み、大飯4号機の原子炉が起動した。10日未明に臨界に達し、11日夕方に発電を始める。営業運転は6月上旬になる見込みだ。関電原子力事業本部の大塚茂樹副事業本部長は同日の記者会見で、安全最優先を強調したうえで「稼働炉が4基になることで社員の士気が上がり、人材育成の面でもプラスだ」と期待を示した。

福井県の西川一誠知事は同日、「これまでに再稼働した3基も含め、関西電力においては最大限の注意を払い、安全運転に努め、原子力に対する県民の信頼を得ていかなければならない」とのコメントを発表した。

大飯3、4号機の再稼働により、当面は高浜3、4号機と合わせた4基態勢の発電が続く見通しだ。福井県内で4基の原発が稼働するのは6年6カ月ぶりとなる。

一方、関電の原発では、美浜1、2号機(美浜町)と大飯1、2号機の廃炉が決まり、地元経済への影響は避けられない。定期検査に関わる県内の事業者は「再稼働して一安心だ」と安堵の表情を見せたものの、「廃炉も増え、これからは原発頼みではいられない」と危機感も隠さなかった。

5月18日以降、高浜原発4号機が、8月以降は同3号機が定期検査に入る予定だ。各原子炉は定検ごとに立地市町を中心に建設業などを募り、県内外から作業員が2千~3千人規模で訪れる。作業員は今後、約13カ月間に1度の頻度で立地自治体の周辺に1~2カ月間滞在するため、再稼働による地元経済への恩恵が期待される。

だが、いずれの原発にも共通する最大の課題は、使用済み核燃料の搬出先の確保だ。大飯3、4号機はともに稼働可能年数が30年以上残っている。今後、安定的な稼働が続けば、原発内に保存できる使用済み核燃料は9年以内に限界を迎える。

問題の解消には、県外での中間貯蔵施設の建設が必要だが、最初の難関となるのは、福井県との間で約束している候補地の年内の選定だ。計画通りに4基目の原発を再稼働させたとしても、安全で安定的に原発運転を継続していくには、けっして一筋縄ではいかない課題が山積している。

(吉田啓悟)

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